
トヨタは4日、新型コロナ危機からの回復に勢いを得た好調な販売に後押しを受け、第1四半期の純利益が460%以上の増加となったことを発表した。
世界販売台数トップを誇るトヨタは、6月までの3ヵ月間の純利益が前年同期の1588憶円から増加し、第1四半期としては過去最高の8978憶円(82憶ドル)を記録した。
しかし通期純利益の見通しについては、「第2四半期以降の不確実性」を挙げ、2兆3000億円のまま据え置きとした。
トヨタは、競合他社に先駆けて新型コロナの影響からいち早く立ち直り、昨年、販売台数トップに返り咲いた。
同社は先週、米国でのハイランダーとカムリ、中国でのカローラとレクサスの堅調な需要を受け、6月までの6ヵ月間のトヨタグループの世界全体販売台数で過去最高を記録したことを発表していた。
「第1四半期の業績は……半導体の不足や感染拡大がありながらも、安定した販売と供給を維持してきた結果です」と同社は発表の中で述べている。
日本の大手企業であるトヨタは、他社が生産目標の削減を余儀なくされる中で、半導体不足の世界的な問題をこれまでのところは乗り切ってきたが、現在、いくつか混乱に直面している。
6月には、半導体不足により2ヵ所の工場の稼働を一時停止し、現在も、3ヵ所目となる別の工場が短期の停止に入っている。
「世界経済が新型コロナから回復すれば、多くの部門でさらに需要が高まることから、少なくとも来年までは半導体の供給は厳しいままであると予想されます」と楽天証券チーフアナリストの今中能夫氏は言う。
AFP