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はやぶさ2、未知の小惑星に=「地球防衛」貢献期待も―JAXA

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月のカプセル投下後の延長ミッションの探査目標として、直径約30メートルと小さく、高速で自転する小惑星「1998KY26」を選定した。(AFP)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月のカプセル投下後の延長ミッションの探査目標として、直径約30メートルと小さく、高速で自転する小惑星「1998KY26」を選定した。(AFP)
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28 Sep 2020 05:09:55 GMT9
28 Sep 2020 05:09:55 GMT9

小惑星「りゅうぐう」で採取した砂が入ったとみられるカプセルを届けるため、地球に向けて飛行を続ける探査機「はやぶさ2」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月のカプセル投下後の延長ミッションの探査目標として、直径約30メートルと小さく、高速で自転する小惑星「1998KY26」を選定した。JAXAによると、直径100メートル以下の小天体を探査機が訪れるのは世界初。運用チームは「前人未到の未知の小惑星」と期待を寄せる。

◇100億キロの旅路

延長ミッションは、カプセル投下後に地球の重力を使った軌道変更(スイングバイ)を複数回実施。到着は2031年7月の予定で、飛行距離はりゅうぐうまでの往復(約50億キロ)の倍となる約100億キロに達する。

この間、26年には、別の小惑星「2001CC21」の近くを通過しながら観測するほか、惑星間に漂うちりや太陽系外惑星の観測なども行う。

航行に使われるイオンエンジンや観測機器に現時点で異常はないが、延長ミッションでは設計想定よりも太陽に近づく軌道を通るため、熱への対処も課題となり、技術的にも大きな挑戦となる。

◇「つるっとした」小惑星?

探査先となる1998KY26は、地球に衝突する危険性があるとされる小惑星の一つ。こうした小惑星は数多くあるが、小さいため詳細観測は難しく、実際の姿はよく分かっていない。

太陽系小天体に詳しい産業医科大の吉田二美助教(惑星科学)は「これまで観測された小惑星とは全く違う表面が見られるのでは」と話す。りゅうぐうや初代はやぶさが訪れた「イトカワ」の表面は砂や石で覆われていたが、このサイズで高速自転する小惑星では重力よりも遠心力が勝り、表面の砂などは飛ばされてしまう可能性が高いという。吉田さんは「表面がつるっとした小惑星が、くるくる回っているのではないか」と予想した。

◇天体衝突対処に知見

延長ミッションの成果は、天体衝突への対処(プラネタリー・ディフェンス)の観点でも注目される。運用チームの吉川真・ミッションマネジャーによると、数十メートルサイズの小惑星は数百年に1度の頻度で地球に衝突し、落下地点によっては都市を壊滅させる恐れがある。こうした天体の強度や構造を調べることで、被害の想定や最小化に役立つ知見を得られるといい、吉川さんは「衝突を避けられるテクニックを学べると期待している」と話した。

JIJI Press

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