• ファディ・ガンドゥール氏: サウジアラムコの新規株式公開（IPO）は、サウジアラビアの経済と株式市場にとって好材料である
• ガンドゥール氏: 一部の外国の金融センターで直接アラムコの株式を販売しないという決定は、IPOの結果にほとんど影響を及ぼさないであろう

フランク・ケーン、北京

中東で最も著名な起業家の一人であるファディ・ガンドゥール氏は、アラブニュースに対し、サウジアラムコのIPOは、サウジアラビアの経済と株式市場にとって好材料であると述べた。

北京で開催されたブルームバーグ・ニューエコノミーフォーラムで、ガンドゥール氏は次のように述べた。 「IPOは、サウジアラビアとタダウル証券取引場にとって好材料となるでしょう。市場に厚みが増し、国民に参加意識が芽生えるでしょう」。

また同氏は、一部の海外の金融センターで直接アラムコの株式を販売しないという決定は、IPOの結果にほとんど影響を及ぼさないであろう、と付け加え、さらに 「それは、サウジアラビアが、自国の資源は自国で保有し、他国に依存する必要はない、という姿勢を明言するものです。 一部では、それに対し否定的な見方をする人もいるでしょうが、 アラムコが上場されれば、その透明性は一層高まるでしょう。」述べた。

ベンチャーキャピタルのワムダ・キャピタル（Wamda Capital）を率いるガンドゥール氏は、中東のベンチャーキャピタルを取り巻く環境は、改善されてきているとし、 「我々のビジネスは、従来型のビジネスモデルの大企業の低迷とは無関係です。ようやく政府系ファンドがスタートアップ企業や中小企業への投資を検討し始めています。」と、最近のサウジアラビア公的投資基金やアラブ首長国連邦（UAE）の政府系投資会社、ムバダラの動向を引用しながら語った。

「フィンテックとe-コマース分野への投資機会は増大しつつあります。」と、同氏は述べている。

サウジアラビアやUAEが支援するビジョン・ファンドなどのような、その他の大手投資家の投資戦略には欠陥があると、ガンドゥール氏は指摘する。 「評価が高い企業に多額の資金を投資すると、利益を生み出す必要性に対する取り組みへの真剣さが鈍り、切れのある経営が失われることになります。 頼れる潤沢な資金の提供者がいることが、収益性の向上へとつながるのではありません。その点、スタートアップ企業は、収益性向上への道筋を見据えているからこそ生き残れるのです。」と同氏は述べた。

ガンドゥール氏は、ビジネスにおける「中国の視点」を把握するために北京に滞在していると述べ、 「中東がますます中国に関心を寄せていることは、良いことです。 中国は常に新しい市場と資源を求めていますし、最近では、両者は既存の技術を真似をするというよりもむしろ、ずっと革新的になってきています。 彼らはビジネス界のリーダーになることを目指しているのです。」と、同氏は付け加えた。