
東京:ソフトバンクグループの孫正義会長は、いわゆる「スマートロボット」が日本の経済と競争力を活性化させると述べ、ロボット分野をさらに強化する姿勢を示した。その一方で、大きな話題となった人型ロボット「ペッパー」の生産停止も進められている。
孫会長は、オンライン形式で開催した「SoftBank World 2021」で、同社の「ビジョンファンド」を通じて、人口知能を強化したスマートロボットを開発している関連企業を18社、支援していることを明らかにした。これは、かわいらしい「ペッパー」のダンスや挨拶の機能をはるかに超えるものである。
「数年前にペッパーの壮大なデビューイベントを行ったが、今は頭を垂れています」と、スイッチを切ってうなだれているペッパーの前で孫氏は述べた。
ソフトバンク創業者である孫氏は現在、「スマートロボットが製造業や産業界の労働力だけでなく、労働力全体を代替する」という未来を見据えている。
孫氏は基調講演の中で、人型のスマートロボットが走ったりジャンプしたり、キャニスター型の機械が床を掃除したりする映像を紹介した。
しかし、新たな投資やスマートロボットの市場価格などの具体的な情報についてはなかった。また、孫氏は規制当局がテクノロジー企業への監視を大幅に強化している中国でのソフトバンクの投資動向についても触れなかった。
今年6月ソフトバンクは、ソフトバンクグループ傘下であるロボット企業ボストン・ダイナミクスの株式の80%を、韓国の自動車メーカー・現代自動車(ヒュンダイ)に売却したと発表した。その1ヵ月後、ロイター通信は孫会長が2014年に大々的に発表した「ペッパー」の販売を、2023年に終了すると報じた。
孫氏は水曜日、ソフトバンクは引き続きボストン・ダイナミクス社と協力関係にあり、今後ペッパーからより機能的な、スマートロボットの世代が生まれるだろうと述べた。孫氏はこの「スマートロボット」を、日本語の「スマート」と「ロボット」をあわせ「スマボ」と呼んだ。
孫氏は、1台のスマートロボットは1人の人間による1日あたりの生産力の10倍の力を発揮することができるため、労働力に革命を起こす可能性を秘めている、と述べた。また孫氏は、スマートロボットが1億台日本に導入されれば、労働人口に直して10億人に相当することになる、と語ったうえで、「人間は退屈な仕事から解放され、より付加価値の高い仕事をすることができるようになります」と加えた。
ロイター