
三菱重工業の泉沢清次社長は27日、報道各社の合同インタビューに応じた。国産初の小型ジェット旅客機として開発を進めている「三菱スペースジェット」(旧MRJ)の初号機納入時期について、延期が必要になるかどうかも含めて「飛行試験の計画を精査している」と説明した。
納入時期はこれまで5度延期されており、現在の目標は2020年半ば。試験計画の精査が必要になったのは、型式証明の取得に向けた飛行試験機の製造が遅れているためだが、泉沢社長は納入時期の目標について「今の段階では変えていない」と強調した。
日韓関係悪化のきっかけとなった元徴用工らの賠償請求訴訟では、三菱重工は被告の立場にある。泉沢社長は「(賠償)問題は既に(日韓)政府間で解決が付いているというのがわれわれの基本認識で、対応は(日本)政府と連携しながら進めていく」と述べるにとどめた。
一方、造船分野では、業績の悪化した三井E&Sホールディングスが他社との提携を目指しており、防衛省向け艦艇の建造で協力関係にある三菱重工はその有力候補と目されている。泉沢社長は「艦艇については、われわれが一隻目を造って(2隻目の建造を三井E&S側に任せる形で)連携しながら進めているが、それ以上のことは何もお話しすることはない」と語った。