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石油価格が指標となる1バレル80ドルを超える急騰

石油価格は過去1年間で90パーセント以上上昇した。(シャッターストック)
石油価格は過去1年間で90パーセント以上上昇した。(シャッターストック)
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29 Sep 2021 11:09:03 GMT9
29 Sep 2021 11:09:03 GMT9
  • OPEC(石油輸出国機構)は生産への投資を促している

フランク・ケイン

ドバイ:世界経済からの急増する需要とますますの供給不足の中、火曜に石油価格が1バレル80ドルまで急騰した。

世界的なベンチマークとなっているブレント原油は、5日間の価格上昇の後に、ここ3年間で初めて心理的に重要な指標を超えた。

石油アナリストらは、この高騰は長く続くと信じている。米国の銀行JPモルガンの石油&ガス部門を率いるクリスチャン・マレック氏は、アラブニュースに以下の様に語った。「強気予想は、石油が2023年までに1バレル100ドル以上に達する可能性を示しているが、今後6から12か月の間にその水準に到達するかもしれません」

もうひとつの米国の巨大銀行ゴールドマン・サックスは今週、年末までにブレント原油が1バレル90ドルに達すると予測している。

サウジアラビアとロシアが主導する石油同盟OPECの産出戦略によって、2020年の価格下落を招いた世界的な石油供給過剰が解消されたことで、石油価格は過去1年間で90パーセント以上上昇した。

パンデミックの間にふくらんだ世界の原油在庫は、最大の消費国である米国と中国が回復を加速する中、2020年1月以来の低水準まで縮小した。

最近の動きにはいくつかの他の要因も絡んでいる。コンサルタント会社カマルエネルギー(Qamar Energy)の最高経営責任者ロビン・ミルズ氏は、「ガス不足と需要の復活が、米国のハリケーンとメンテナンスの遅れにかちあった」ことが原因だと述べた。

価格の上昇圧力に加え、経済がパンデミックから回復するにつれて石油の需要は今後数年間で急激に伸びるだろうと、OPECは火曜に発表したWorld Oil Outlook(世界石油見通し)の中で予測している。

「エネルギーと石油の需要は2020年の非常に大きな落ち込みを経て、2021年には大幅に伸びてきました」とOPECの事務局長モハメド・バルキンド氏は述べた。「継続的な拡大が長期的に見込まれます」

既に予測されていた2021年と2022年の堅調な成長に加えて、OPECは2023年には1日当たりの石油使用量が170万バレル増え、1億160万バレル/日(bpd)となるだろうと発表しており、需要はパンデミック前の2019年の水準を上回ることになる。

OPECは、再生可能エネルギーへの移行が進んでいるものの、エネルギー不足を回避するために、世界は石油生産に投資を続けなくてはならないと伝えている。上流部門の石油設備投資は昨年パンデミックにより30パーセント近く減少し、2,400億ドルとなった。

「投資不足が石油産業にとって依然として大きな課題のひとつであることは明らかです」とバルキンド氏は述べた。「必要な投資がなければ、さらなる不安定と将来のエネルギー不足につながる可能性があります」

それでも、OPECの見通しは楽観的である。「石油はまだエネルギーミックスの中でナンバーワンの地位を保つと期待されています」と同氏は語った。

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