
ファハド・アブドル・ジャダエル
ジェッダ:サウジアラムコのアミン・ナサールCEOは、石油産業への投資が減り、またCO2削減という課題に同社が直面しながらも、原油増産への取り組みを進めていると語った。
同社が日量1200万バレルから1300万バレルまで増産するには2027年までかかる。「すぐに実現できることではありません」とCEOは述べた。
「前工程のエンジニアリングに2~3年かかり、建設にも3~4年はかかります。長期のプロジェクトです」
「現在、わが社は十分な余力を有しており、(能力)増強という面でもやるべきことは果たしています。CO2排出量の削減と同時に、市場への供給量を増やしていきます」
石油需要は「非常に堅調」だとCEOは見ており、来年の需要についても強気だ。
世界最大の石油生産を誇るサウジアラムコのCEOは、2021年末までに石油需要が1日9900万バレルに到達し、来年には1億バレルを超えるとの予想を Energy Intelligenceのフォーラムで披露した。
「来年の需要予測は1億バレルを超えるでしょう。したがって、全体の需要はとても堅調です」
石油は現在80ドル近辺で取引されているが、ナサール氏はその理由が需要増にあるとしている。
「わが社は十分な余力を有しており、(能力)増強という面でもやるべきことは果たしています。CO2排出量の削減と同時に、市場への供給量を増やしていきます」
アミン・ナサール
市場の供給に影響を与えている要因がいくつかあり、主な要因の1つは石油産業への投資減だとナサール氏は語った。
さらに、他のエネルギー源への転換は大事だが、順序だてて実施する必要があるとも述べた。
「私たちはCO2排出抑制のために最大限の努力を続けていますが、まずは市場の発展が先です。わが社は二酸化炭素回収・貯留技術やCO2の他の物質への転換、水素などに集中的に取り組んでいます」