サウジアラビアの91年目の建国記念日に際し、日本国民を代表して、サルマン国王陛下、ムハンマド皇太子殿下、サウジアラビア国民に心から祝意を申し上げます。

2021年2月に駐サウジアラビア日本大使に就任してからというもの、以前当地で次席を務めた時にはこのようなスピードで進展するとは想像もしなかった、サウジアラビアの経済的飛躍と文化的洗練に感動し続けています。特に、サウジ人の行動様式の変化は特筆すべき点です。サウジ人は、自国を中東地域において経済的、文化的な憧憬たらんとして、市民生活とビジネスの両面において精力的に活動するようになりました。

私は、サウジビジョン2030によって具体化された政府全体の取り組みを通じて、サウジの多面的な変革を目の当たりにしてきました。果敢な取り組みにより、サウジアラビアは多様で持続可能な経済を実現し、アラブとイスラム世界の文化的中心としての地位を高め、地域の平和と安定において信頼できる安定した国となってきています。

サウジアラビアがこの地域の経済的、文化的大国になるためにも、日本はビジョン2030を強く支持しています。日本とサウジアラビアが日サビジョン2030を立ち上げて以来、両国政府は、インフラプロジェクトを含むさまざまな未来志向のプロジェクトの実施に取り組んできました。また、日本は、心と心の繋がりの証として、世界レベルでのサウジアラビアの文化的発展を引き続き支援していきます。例えば、サウジアラビアの古代史を日本のアニメ風に描いた映画「ジャーニー」は、深まる日サウジアラビアの文化的絆を象徴する最たるものです。

この機会に、コロナ禍にもかかわらず、昨年のG20サミットをアラブ諸国で初めて主催したサウジアラビアのたぐいまれな努力に改めて祝意を表したいと思います。サウジが前例のない人類の苦難を克服する様を目の当たりにした者として、コロナ禍を克服するためのサウジの包括的でデジタル技術を活用した戦略は、今後の感染症対策に向けた国の公衆衛生システムを強化することはもちろん、国際保健協力にプラスの波及効果をもたらすと確信します。

昨年、例外的な状況で、歴史あるディライーヤにて開催されたリヤドG20サミットは、最先端の技術で環境と地理的特性を維持しながら遺跡の保全に努めるサウジアラビアにとり、その文化的熱意を示す希望の光をもたらしました。

私がディライーヤを訪れたとき、数々の遺跡や建物、伝統工芸品、書道など、初代サウジ王朝の輝かしい日々の記憶に出会うことで、刺激的な文化体験を得ることができました。ディライーヤ地区の開発は、サウジアラビアの歴史を伝える文化施設として計画されているだけでなく、ホスピタリティ、小売業、教育を含む国際的なライフスタイルの中心になることも目指しています。洗練されたディライーヤが、サウジ変革の灯火としてまだ見ぬサウジの発展を牽引することを願っています。日本は常にサウジアラビアの人々と共にあり、サウジビジョン2030を支援するための努力を惜しみません。

サウジ政府と国民の今後の成功と繁栄を祈念します。建国記念日おめでとうございます。