
東京:世界的な需要の軟化と米中貿易摩擦により国内景気回復への不透明感が増す中、日本政府が920億ドル規模の財政支出を含む大型の経済対策の取りまとめを検討していると日本経済新聞が伝えた。
厳しい日本の財政状況にさらなる重しを加える形で、政府は財投債を増発して最大4兆円(368.2億ドル)規模の公共投資を実行し、貿易摩擦から負の影響を受ける企業からの税収の落ち込みを埋める予定だと同紙は土曜日に伝えている。
同紙はまた、安倍政権が来週始めにも連立与党との協議後に同経済政策を取りまとめる予定だと出所を明らかにせず報じた。
日本の財務省関係者からのコメントは得られなかった。
与党議員はこれまで、大規模な経済対策を策定し、国債増発のリスクを取ってでも経済成長を下支えする財政政策の役割を拡大することを政府に求めてきた。
日本銀行の黒田東彦総裁は、金曜日に、日銀の超緩和政策は物価目標の達成を目したものであり、財政ファイナンスを目指したものではないと述べ、日本の財務省の意向に配慮したものだとする陰謀説を排した。
同紙によれば、同経済政策による財政支出は10兆円超となる見通しで、財源は2019年度の補正予算と来年度の当初予算から確保される。
この規模は、2016年に英国の欧州連合離脱投票で市場が不安定化し、輸出に依存する日本経済の不透明感が高まった際にまとめられた13.5兆円の経済対策に相当するものだ。
現在取りまとめ中の同政策には、災害対策、インフラ建設や企業の生産性向上のための施策に対する支出も含まれると同紙は伝えている。
また、今年度の税収が当初の想定である約2兆円を下回ることから、赤字国債の追加発行も行う予定だと報じている。
日本政府は、財政支出に加え、企業による生産体制の多様化を支えるため海外で展開する企業を金融面で支える仕組みも提供すると木曜日にロイターが報じている。
世界的な需要の軟化による輸出の伸び悩みを受け、第3四半期の日本の経済成長率は過去1年間で最も弱いものとなり、景気減速への懸念が強まっている。一部のアナリストは、10月の消費増税による個人消費の冷え込みの可能性を懸念している。
ロイター