財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は20日の歳出改革部会で、政府開発援助(ODA)予算の在り方などを議論した。財務省は、開発途上国への無償資金協力について、工事の遅れなどから2020年度末時点で国際協力機構(JICA)に1960億円の資金が滞留していると指摘。資金の効率的な活用のため、一定期間後は国庫に返納するなどの対応を求めた。
20年度の無償資金協力の執行額は1628億円で、単年度の予算規模を上回る資金がJICAに滞っていることになる。無償協力の資金は外務省からJICAに支払われ、工事などの進展に応じてJICAから事業者に支払われる。
財務省によると、13年度に支援決定したアフガニスタンのカブール国際空港の保安機能強化計画に対する供与額は約44億円だが、大半がJICAから支出されないままになっている。一方、JICAを介した方式の無償資金協力を実施している08年度以降、事業中止で国庫に返納された資金は50億円程度にとどまる。
時事通信