
アラブ首長国連邦(UAE)は2030年までに世界の水素市場で25%のシェア獲得を目指す、と国営通信WAMが4日に報じた。
産油大国でもあるUAEは、7つ以上の野心的な水素プロジェクトが進行中であることも明かした。日本や韓国、ドイツ、インドなどの輸出市場を主な対象とし、ヨーロッパや東アジアにも売り込んでいくという。
UAEはクリーン水素の生産で世界を主導するとともに、ブルー水素やグリーン水素の提供において競争を優位に進めることを目指している。豊富で競争力のある炭化水素の提供や、大規模な水素・アンモニア生産施設の建設も実施していく。
また、太陽光発電の価格に世界最高の競争力を持たせるとともに、大規模な炭素補足・貯留システムの提供も計画している。
アブダビ国営石油(ADNOC)は年間30万トン以上の水素を生産しているが、年間50万トンまでの増産を計画している。
水素分野での覇権を目指す計画は、グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で発表された。
計画には主な目標が3つ含まれている。低炭素水素やその派生物・製品を主なエリアへ輸出することで、新たな価値創出源を生み出すという。
UAEはさらに、他の重点産業に加え、低炭素鉄鋼や持続可能な灯油などで新たな水素誘導体の機会を強化することも目指す。そうした活動は、「2050年までの気候中立」という目標を後押しする。
ロイター