アラブニュース
リヤド:月曜日、サウジアラムコのアミン・ナーセルCEOは、全世界が代替エネルギーで稼働し、広大な世界のエネルギーシステムが事実上一晩で一新できるとする考えを「強い思い込み」と呼んで拒絶した。
ナーセルCEOは、ヒューストンで開催された将来の技術と低炭素戦略をテーマにした国際エネルギー会議で講演した。
その中で、「30年以内に約115兆ドル」の投資が行われるといったエネルギーの未来についての極端に現実離れしたシナリオが、全体像を曖昧にしていると述べた。
そして「エネルギーの保障、経済開発、購入容易性の必要性に対する注目が明らかに足りない」とCEOは語った。
「航空、輸送、さらにトラックによる運送においても、従来の燃料に代わって確実に通用する代替燃料はまだない」
世界石油会議に集まった他の国際的な指導者たちも、今後数十年はもっと多くの石油が必要になることを確認した。
「実際に世界は欠乏期に突入している。久しぶりに、原油が買い手を探すのではなく、買い手が原油を探し求めるようになると私は考えている」とエネルギーサービス会社ハリバートンのジェフ・ミラーCEOは語った。
世界の化石燃料需要は2021年に急回復している。天然ガスの需要はすでにパンデミック前のレベルに戻り、石油の需要は2019年のレベルに近づいている。この状況は、欧州拠点の企業を中心に世界の大手企業が、再生可能エネルギーへの移行を目指して探鉱と生産を制限していることや、世界的な気温上昇に対応するために各国政府が二酸化炭素排出量の削減を推進していることで生じている。
アラムコのCEOは、石油とガスへの投資をすべて停止する圧力が高まっているため、上流部門の設備投資は2014年から昨年までの間に50%以上減少し、7,000億ドルから3,000億ドルになったと述べた。
ナーセルCEOは「結果として供給が遅れ始めた。このことは予備の石油生産能力にも損害を与え、実際にその生産能力は急減している。しかし、それは健全な需要の伸びに反して起きていることだ」と語った。
オミクロン変異株が石油需要に及ぼす被害は少ないという期待から、月曜日の原油価格は3%上昇して1バレル約72ドルになった。