
東京
企業に内部留保をスタートアップやその他の投資に支出することを促し、停滞する経済を活性化させることを目的とする税制案を、木曜日、日本政府が発表した。一方で、この税制案は、5Gテクノロジーにおいて先行する中国との競争を支援することも目的にしている。
与党の自由民主党と連立を組む公明党とによって正式に決定される2020年度の年次税制改正は、日本企業に460兆円(4兆2300億ドル)に及ぶ内部留保を使うことを促す措置に重点を置いた、と議員らは話した。
日本企業は何年にもわたって、記録的な内部留保の上に胡座をかき、賃金や投資を増やすことに慎重なままだ。
日本経済は、資本への支出や国内需要に支えられ、7-9月に年率換算で1.8%成長した。しかしアナリストらは、米中貿易戦争と消費税の引き上げが、この世界第三の経済圏に重くのしかかりそうなことから、今四半期には成長が鈍化すると予想している。
企業による支出が弱いことは、賃金や家計・企業の所得・支出の上昇サイクルに火をつけることを目的とした安倍晋三首相による刺激策「アベノミクス」に対して、さらなる打撃となりそうだ。
新しい案は、携帯電話キャリアや、5Gインフラに投資するその他の企業に対して、15%の減税を認めるもので、国内企業が次世代コミュニケーションネットワークにおける中国の発展と競争するのを助ける狙いがある。
映画を数秒でスマートフォンにダウンロードできるほど速いスピードを備えた5Gネットワークの提供開始は、中国の電気通信企業ファーウェイが供給するアップグレード装備をめぐって、米国でセキュリティに関する懸念を惹起してきた。
「5G税制は、情報技術が国家的な安全保障の観点を含む、新しい時代の始まりを画するものです」と、与党ブロック議員との会合で税制改正が承認されたあと、自民党税調会長の甘利明は記者らに対して述べた。
「この税制改正により、日本が5G開発においてアメリカとEUをリードすることができるよう、なんとか旗挙げができたと、私は信じています」と甘利は話した。彼は中国には一切言及しなかった。
税インセンティブを受けられる資格のある日本企業には、携帯電話事業会社や、農村地域で人工知能を用いたスマート工場やスマート農業向けの5Gネットワークを準備している企業が含まれることになる。
全体的な税制改正は、年間の税収に大きな影響を与えないと予想される、と甘利は付け加えた。
この改正は、日本政府は13.2兆円に上る財政刺激を行うという、先週の安倍による発表に続く。
来年度の税制改正にはまた、革新的なテクノロジーに重点を置くビジネスに投資する企業に対する優遇措置が含まれる。
新しい案は、10年以内に設立されたスタートアップに対して1億円以上を投資する企業に、その投資額の25%を課税所得から控除することも認める。
ロイター