
東芝は7日、グループを3分割するこれまでの計画を修正し、2分割すると正式発表した。空調子会社の東芝キヤリア(川崎市)株式の売却も公表。分割コストを圧縮するとともに、売却で得た資金を株主還元や成長投資に充てることで株主の理解を得たい考えだ。
同日午後に投資家向け経営戦略説明会をオンラインで開いた。
このほか、昇降機、照明事業は2022年度中の売却合意を目指す。上場子会社東芝テックについても、非中核事業と位置付けた。
昨年公表した3分割案は、エネルギーなどの「インフラサービス」、半導体などの「デバイス」を本体から切り離し、23年度下期に上場させる計画だった。2分割案ではデバイス事業のみ分離し、インフラサービスは半導体大手キオクシアホールディングスの株式保有などを担う東芝本体に残す。
3分割案には複数の大株主が反対を表明していた。計画公表からわずか3カ月で軌道修正を迫られた形で、2分割で株主の賛同が得られるかは不透明だ。
東芝は6割を保有する東芝キヤリア株の55%を米空調大手キヤリアに譲渡する。売却額は約1000億円。9月30日までに手続きを完了する予定。
説明会は8日午後も行われ、インフラサービスとデバイスの事業戦略を説明する。
時事通信