• 3年間のプログラムは、技術関連分野の卒業生、アプリ開発者、技術系起業家を支援することを目的とする。
• 「これはパレスチナ人にとって重要な進展だ」と地元のビジネスリーダーが語る。

モハメッド・ナジブ

ラマッラー：パレスチナのビジネスリーダーは、地元の技術系の卒業生、開発者、起業家を支援するためにグーグルが資金を提供する1000万ドルの新しいイニシアティブを歓迎している。

この3年間のプログラムは、この分野の人々がデジタル技術を磨き、雇用機会を改善することを目的とするもので、AlphabetとGoogleの最高財務責任者であるルース・ポラット氏が、エルサレムで行われたJest（技術とコミュニティサービスのためのエルサレム起業家協会）が主催する円卓会議で発表した。

ポラット氏は、このイニシアティブによって、パレスチナの技術環境の発展のためのグローバル企業の貢献が保証されると述べた。

JestのCEOであるハニ・アル・アラミ氏は「Googleとの関係は、サービスや検索、地図などで行き詰っていたこと、また、パレスチナ人に対する無視や不公平があったことから、これはパレスチナ人にとって重要な進展です。」と語った。

彼はアラブ・ニュースに対し、Googleが 「パレスチナ人に何も提供しておらず、我々はもてあそばれていた」と述べた。

アル・アラミ氏は、パレスチナの卒業生のレベルを上げるために、Googleにそのシステムで彼らを訓練するよう要請したと述べ、パレスチナのスタートアップ企業のために商用ツールも注文したと付け加えた。

パレスチナの大学では毎年約3,500人のハイテク工学系の卒業生を輩出しているが、その多くはイスラエルやアラブ諸国で就職する。また、約1,000人が国際的な企業やイスラエルの企業から委託された仕事をしているが、その一方で、この業界から完全に去る人もいる。

「パレスチナのエンジニアや卒業生のスキルを向上させるために、パレスチナにもイスラエルと同じようにGoogleのビルが建つことを期待しています。」とアルアラミ氏は語った。

「Googleでトレーニングして、働くことができれば、将来、自分で起業するときに必要な経験と名声が得られるからです。」

さらに彼は、成長するパレスチナ市場で投資し、事業を展開するグ世界的なハイテク企業をさらに10社誘致することを検討していると付け加えた。

Jestの会議では、現地のテクノロジー部門が直面している問題、特に電子プラットフォーム上にパレスチナの地図を組み込む必要性や、その技術的およびデジタル著作権についても話し合われた。

東エルサレムにあるTechlinicのCEO、Mahmoud Khweiss氏は、このイニシアティブについて「パレスチナのエンジニアや卒業生がこの分野で仕事を進めるために必要な専門的トレーニングやスキルを提供するものだ」とし、これによって「研修生にアラブ諸国にあるGoogleのオフィスで働く機会も提供されるかもしれない」と語った。

もしパレスチナの卒業生が、Googleで訓練を受けて働くか、イスラエルのハイテク部門で働くかのどちらかを選べるなら、「迷わず」Googleを選ぶだろうとKhweiss氏は言う。なぜなら、ヨルダン川西岸とイスラエルの間の軍のチェックポイントを毎日通過するよりもいいからだ。

「Googleでの研修や仕事にノーと言う人はいません。」と彼はアラブ・ニュースに語った。

イスラエルがパレスチナのインターネット・ネットワークとサービスを完全に支配しているにもかかわらず、パレスチナ人はデジタル技術とソーシャルネットワーキングにおいてアラブ世界のトップコミュニティのひとつとみなされている。ヨルダン川西岸とガザ地区の間に地理的なつながりがないことと、イスラエルの侵攻に対する闘いの中でパレスチナ人がソーシャルメディアを広く利用していることがその理由だ。

一方、Googleは日曜日に、イスラエルで見落とされているコミュニティのメンバーのための技術スキル開発プログラムに資金を提供する2500万ドルの新たなイニシアティブを発表した。