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ウクライナ侵攻で米国がロシア産原油の輸入を禁止、ブレント原油価格が130ドル超え

ジョー・バイデン大統領は火曜、ウクライナに侵攻したモスクワへの制裁として、米国によるロシア産原油の輸入禁止を発表した。(シャッターストック)
ジョー・バイデン大統領は火曜、ウクライナに侵攻したモスクワへの制裁として、米国によるロシア産原油の輸入禁止を発表した。(シャッターストック)
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09 Mar 2022 02:03:38 GMT9
09 Mar 2022 02:03:38 GMT9
  • この禁止案は、民主党がバイデンに無理やり迫ったことで成立した
  • 英国も火曜、今年末までにロシア産原油の輸入を段階的に停止すると発表した

アラブニュース

リヤド:米国がロシア産原油の輸入禁止を決定したため、ベンチマークとなる5月のブレント原油先物価格は130ドルを突破した。米国のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物の4月限の取引価格は、1バレル126ドル前後だった。

ジョー・バイデン大統領は火曜、ウクライナに侵攻したモスクワへの制裁として、米国によるロシア産原油の輸入禁止を発表した。

バイデン大統領はホワイトハウスでの演説で、「ロシア産の原油、ガス、エネルギー輸入をすべて禁止する」と述べ、この禁止は同盟国との「緊密な協議」により決定されたと付け加えた。

この禁止令は、すでに高騰しているガス価格に影響が出る可能性があったにもかかわらず、民主党がバイデン大統領に「法案を出す」と無理やり迫ったことで成立した。

英国もロシア産原油の輸入を段階的に停止

英国は火曜、ウクライナ侵攻後に米国が発表した新たな制裁措置に合わせ、今年末までにロシア産原油の輸入を段階的に停止すると発表した。

クワシー・クワルテン商務長官は、「段階的な移行により、英国市場、企業、サプライチェーンなどは、需要の8%を占めているロシア輸入品からの移行に十分な時間をとることができる」とツイートした。

石油関連の制裁は、英国の供給の約4%を占めるロシア産天然ガスには適用されない。しかしクワルテン氏は、「この戦争を完全に終結させるための選択肢を共に探っているところだ」と述べた。

この発表は、ジョー・バイデン米国大統領が発表したロシア産原油の禁止輸入と連携して行われた。

原油

原油価格の上昇に伴い、米国は早速、ベネズエラ大統領とエネルギー問題に関する協議を開始した。

ホワイトハウスは月曜、「米国代表団は週末にベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とエネルギー供給に関する協議を行った」と発表した。これは、ワシントンがロシア産原油の輸入を減らす方法を模索するためだ。

この驚くべき動きは、バンク・オブ・アメリカのアナリストが「ロシア産原油の輸出の大半が停止されれば、少なくとも日量500万バレルが不足し、価格が200ドル程度にまで上昇する可能性がある」と指摘した際に開始された。

JPモルガンのアナリストは、「原油は今年中に185ドルまで高騰する可能性がある」と述べた。また、三菱UFJのアナリストは、「原油は180ドルまで上昇し、世界不況を引き起こす可能性がある」と述べた。

米国が欧州の同盟国と協調するのではなく、単独でロシア産の原油輸入禁止を検討したことから、「原油供給が大きく途絶える」という懸念は緩和され、火曜の原油価格は14年ぶりの高値付近で乱高下した。

火曜のブレント原油先物は125ドル前後で取引され、米国のWTIは121ドル付近となった。

米国とベネズエラの協議

マドゥロ大統領は、米国が2019年に関係を絶った政権の指導者であり、ロシアの侵攻後にプーチン大統領に対して強力な支持を約束した数少ない国際的リーダーの一人だ。

ホワイトハウスのジェン・プサキ報道官は、記者団に対し「政権当局者のベネズエラ出張の目的は、エネルギーやエネルギー安全保障に関するさまざまな問題を議論することだった」と明かした。

複数の米国メディアが報じたところによると、ベネズエラの野党も「カラカスにやってきた高官米国代表団と会談した」と発表している。ワシントンは、ウクライナ侵攻の件でロシアを孤立させる方法を模索しているのだ。

マドゥロ大統領は、月曜遅くのテレビ出演で、会談をおこなったことを認めた。大統領は「会談は、敬意と誠意にあふれ、外交的なものだった」と説明したが、内容に関しては詳しく触れなかった。

大統領は、「会談は大統領官邸でおこなわれた。会談はほぼ2時間続いた。ベネズエラにとって最大の関心事である議題に関して、対面して話せたことは、非常に有意義だった」などと語った。

イラン核合意

その一方で、2015年のイランと世界各国の核合意を復活させる話し合いは先が見通せない状態だ。これは、ロシアが米国に対し、「ウクライナ紛争による制裁がテヘランとの貿易に影響を与えないよう」保証を要求したためだ。

イランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は、「テヘランは国益を損なういかなる外的要素も認めない」と語った。イラン外務省は、「ロシアからの説明を待っている」と述べた。

フランスはロシアに対し、「核取引再開への努力に対し、脅迫で応えないよう」要求した。イランの安全保障当局トップは、「協議の見通しは依然として不透明だ」と述べた。

アナリストによると、たとえイランが核合意に成功しても、原油流通の回復には数ヶ月かかる見込みだ。

シェル

シェルは火曜に、先週ロシア産の原油を購入したことを謝罪し、ウクライナ侵攻を理由に「炭化水素分野におけるロシアとの取引を完全に中止する」と発表した。

シェル社の最高経営責任者(CEO)であるベン・ファン・ブールデン氏は、「先週のロシア産の原油購入は正しい判断ではなかったと痛感しており、これを謝罪する」と述べた。

トレーダーの金曜の発表によると、シェルはスイスのトレーダーであるTrafiguraからロシア産原油のカーゴを購入し、S&Pグローバル・プラッツを窓口としてバルト海の港から積載した。積載日確定のブレントから1バレルあたり28ドル50セント引きという過去最低価格で購入したという。

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