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サウジの石油取引における人民元への完全移行をエコノミストが否定

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20 Mar 2022 10:03:00 GMT9
20 Mar 2022 10:03:00 GMT9

アラブニュース

リヤド:ウクライナ侵攻を受けたロシア主要銀行のSWIFTシステムからの排除、およびモスクワと北京が開発した代替通貨の登場に関する報道により、ドルの将来について議論が再び活発化している。

中国は何年も前から、人民元の国際化に取り組んできた。しかし、今回の危機は、そうした取り組みに新たな勢いを与えている。あるいは、少なくとも世界にドルとの関係を見直すことを迫っている。

ウォールストリート・ジャーナル紙の最近の報道によると、サウジアラビアは中国との間で、石油販売の一部の価格設定と決済を、米ドルではなく人民元で行うことを協議しているという。この協議は「6年間、断続的に」行われてきたが、ここ数カ月で話し合いが活発化している。

「(サウジアラビアや中国を含む)多くの国にとって、米国がロシアに課した厳しい制裁は、ドルによる取引や、公的な蓄えの一部としてドル建て資産を保有するという常識に対し、疑問を生じさせる結果となった」と、キャピタル・エコノミクス社のシニア新興市場エコノミスト、ジェイソン・トゥベイ氏は指摘した。

サウジアラビアは、中国との貿易で黒字を計上している数少ない国の一つである。その黒字額は、過去10年間で平均240億ドルに上る。
トゥベイ氏によると、もし中国との貿易がすべて人民元で行われるようになれば、サウジアラビアはすぐに大量の人民元を保有することになる。他のすべての条件が変わらなければ、5年以内に人民元は、簡単にサウジアラビアの公式外貨準備の20〜25%を占めるまでになるだろう。

しかしトゥベイ氏は、このシナリオを、可能性が低いとして否定する。王国は「兌換性に関する懸念や、ドル・ペッグ制を維持することへの影響から、外貨準備として人民元を大量に保有することには消極的な可能性がある」と考えているためだ。

しかし、王国が中国への石油販売の一部に限って人民元を受け入れることを決めたり、受け取った人民元を再利用して、中国からの商品やサービスの輸入を増やしたりすることはありうると、トゥベイ氏は言う。

石油の販売に人民元を受け入れることで、サウジアラビアがドル・ペッグ制から離れ、クウェートのように通貨バスケット・ペッグ制を採用する可能性も指摘されている。

しかし、トゥベイ氏はこれにも懐疑的である。サウジアラビアが中国への販売で人民元を受け入れたとしても、石油貿易の4分の3ほどはドル建てで行われるだろうという。さらに、ドル・ペッグ制は数十年にわたりサウジアラビアのマクロ経済の安定の基本的な支えとなっており、政策立案者たちが急いでこれを変える可能性は低い」とした。

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