東京:日本とアメリカがさらなる円安を食い止めるため、二国間の財務相会談で協調為替介入について議論した模様であると、日本のテレビ局TBSが金曜に報じた。
日本政府関係者の話を引用したこの報道が出される前、鈴木俊一財務大臣は最近の円の下落を「急激」と表現し、米国のジャネット・イエレン財務長官と通貨の動きについて緊密に連絡を取り合うことで合意したと述べている。
「G7とG20のメンバー間で合意された為替レートの原則に沿って、両国の通貨当局が緊密にコミュニケーションを取ることを確認した」と、鈴木大臣は国際通貨基金(IMF)の会合に合わせてワシントンDCで行われたイエレン長官との会談の後、記者団に語った。
鈴木大臣は、最近の円安が急激であることをイエレン長官に説明したと述べたが、2人が協調為替介入について議論したかどうかについてはコメントを避けた。
TBSはワシントンからの報告の中で、鈴木大臣とイエレン長官がこの会談で共同為替介入について議論した可能性が高いと伝えた。
TBSは、「米国側はその考えを前向きに検討する様子だった」という政府関係者の話を引用した。しかしながら、円買い介入に同意するのは難しいとワシントンは考えるだろうとした。円買い介入はドルを下落させ、すでに急激に高まっている米国のインフレを加速させるためである。
この報道についてロイターから尋ねられた日本の財務省関係者は、会談で共同為替介入について議論されたかどうかについては、コメントできないと答えた。
「このタイミングでの協調介入について、米国の同意を得るのはおそらく難しいだろう」と、三井住友海上DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは述べた。
「もし介入が行われれば、ポジション解消の大きな動きを引き起こし、日本の通貨を短期間に2~3円押し上げる可能性がある」
米財務省は金曜の声明で、イエレン長官と鈴木大臣は「外国為替市場を含む金融市場の動向について議論し、為替レートに関するこれまでのG7とG20の公約を維持することの重要性を強調した」と述べている。
円はドルに対し20年ぶりの安値まで急落した。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げの可能性が高まっているのとは対照的に、日本の中央銀行は超低金利政策を守り続けている。
G7と日米財務相会談で共同介入の件が提起されるかもしれないという期待から、今週の円の安値は1ドル129.43円で止まっている。
G7は木曜の声明で、「不安定」な動きとなっている市場を注意深く監視していると述べたが、為替レートについては言及しなかった。
「急激な為替変動は望ましくないと、政府は言ってきた。今、円で見られているのは急激な動きなので、緊張感を持って注視していく」と、鈴木大臣は記者団に語った。
投資家は、円はさらに下落すると考えている。政府が介入したとしても、勢いを変えるには不十分だろうというのが、大半の見方である。
「共同介入について話されていたとしても驚かない」が、鈴木大臣はイエレン長官の同意を得られなかった可能性が高いと、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の上野大輔チーフ為替ストラテジストは述べた。
「なぜなら、鈴木大臣はイエレン長官が何を話したかということについて、ほとんど触れなかったためである。米国が金融引き締めを通じて急速なインフレと闘っていることを考えれば、ワシントンが日本の介入要請に同意するとは考えられない」
ロイター