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風穴を開ける裁判所の決定。直後から進展するアル・ゴサイビの調停

アル・ゴサイビス氏は、経営破綻の責任はマーン・アル・サネア氏にあるとしている。(AFP通信)
アル・ゴサイビス氏は、経営破綻の責任はマーン・アル・サネア氏にあるとしている。(AFP通信)
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03 Jan 2020 05:01:35 GMT9
03 Jan 2020 05:01:35 GMT9

フランク・ケイン

ドバイ:ダンマームの商事裁判所が、銀行とアル・ゴサイビ財閥の間で10年にわたって続いてきた膠着状態に決着をつける計画を承認した。一族経営を行っているアル・ゴサイビの事業は、2009年に財政難に陥って以降、440億サウジアラビア・リヤル(117.3億ドル)以上の負債を抱えている。

アブドラ・アブドゥルラーマン・アル・ヤビス裁判官が議長を務めるこの裁判で、サウジアラビアの新しい破産法によって活用が可能となった「財務再編手続き」(FRP)に、合計請求金額である約278億サウジアラビア・リヤルを含めることが認められた。

裁判所は167億7,000万サウジアラビア・リヤルの請求は棄却したが、その金額の大部分は、マーン・アル・サネア氏とその関連企業が一族経営のAhmad Hamad Algosaibi and Brothersに対して請求したものだった。サネア氏たちの請求は、婚姻関係のある2つの対抗派閥でいまだ係争中にある。

裁判所より債権者に送られた文書をアラブニュースが入手した。:「請求、またはその一部の承認を裁判所が決定した場合、投票に承認された請求項目として、請求リストに含まれることになる。そして、裁判所は請求リストと関連する異議を検討した結果、以下のように請求リストを承認する」。この後に、グローバル銀行、湾岸地域の銀行、サウジアラビアの銀行、そしてアル・サネア氏の所有する企業が請求する150項目についての詳細が説明されている。

「以上のように、当裁判所は、Ahmad Hamad Algosaibi and Brothersに対する債権者の請求リストを承認することとする」と裁判所の文書に書かれている。

この裁判所の決定により、Ahmad Hamad Algosaibi and Brothersとその顧問は、次の調停手続きへと進むことになる。そこには、今も一族が保有する資産の評価や、資産の一部を債権者に分配する案も含まれる。調停手続きは、破産管財人であるバーダー・ハテム・アル・タミミ氏がすぐにでも着手する予定だ。

もしこの計画が承認されていなかったならば、「投げ売り」状態となっているAhmad Hamad Algosaibi and Brothersの資産や、事業の閉鎖と数千人規模の失業をめぐって、債権者同士で争いが起きる可能性もあった。

「今回の決定ではっきりとした道筋が見え、解決への一歩を踏み出しました」と、Ahmad Hamad Algosaibi and BrothersのCROでありCEOのサイモン・チャールトン氏はアラブニュースに語った。

「裁判所から承認された請求リストが出たので、Ahmad Hamad Algosaibi and Brothersとしては、債権者委員会の設立、請求項目の処理方法や和解合意によって分配されることになる資産に関する案の最終決定を待っています」

「手続きが滞りなく進み、債権者の提案が商事裁判所によって承認されることで、今年の前半には債権者に対する最初の資産分配が行えたらと思っております」

「承認された請求リストが公表されたことで、弊社としてもこの問題を解決するための前進ができるようになりました」とチャールトン氏は言う。

3大陸にわたっての訴訟となったこの争議では、過去10年の間で弁護士や顧問への手数料が1億ドル以上に達している。

2018年に国内の破産手続きを近代化する目的で策定された破産法が取り入れられるまで、サウジアラビアの破産法はとっつきにくいものだった。

アル・サネア氏とそのSaad Groupの関連企業も、多額の負債処理に財務再編手続きを使用することを考えているが、詳細はまだ明らかになっていない。

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