

アラブニュース
リヤド:国際機関協働データイニシアチブ(JODI:Joint Organization Data Initiative)が発表した最新の月次データによると、サウジアラビアの今年4月の原油輸出量(日量)は前月比14万7,000バレル増の738万バレルとなった。
この輸出量は、日量739万バレルを記録した2020年3月以来最高の水準。
4月の原油輸出量は、今年3月の724万バレルから2%増えた。
対前年同月比でみると、4月サウジの原油輸出量は197万バレル(36.5%)増だった。
4月の原油生産量(日量)は、3月の1,030万バレルから14万1,000バレル(1.4%)増えて1,044万バレルとなった。
ロシアは5月、サウジを追い抜いて中国向け原油輸出量でトップに立った。この月のロシアから中国への原油輸出量は前年同月比55%増となり、過去最高となった。ロイター通信の報道によると、ウクライナに侵攻したロシアへの各国の経済制裁が続く中、石油精製企業が、ロシアからの値引きされた原油の供給により利益を上げた。
中国海関総署のデータによると、東シベリア・太平洋石油パイプライン経由の供給、ロシアのヨーロッパ側および極東地域側からの海上輸送による供給を含めたロシア産原油の総輸入量は、842万トン弱に及んだ。
この輸入量は、約198万バレル/日(bpd)に相当し、4月の159万bpdよりも25%多かった。中国は、世界最大の原油輸入国。
巨大国営石油企業の中国石油化工集団(シノペック)や国営の振華石油(Zhenhua Oil)などの中国企業は、西側の石油メジャーや商社が制裁を受けて事業から撤退した後、大幅に値引きされたロシア産原油の購入を加速させた。
サウジアラビアはロシアに次いで2番目の中国向け原油輸出国で、5月の供給量は前年同月比9%増の782万トン(184万bpd)となった。
この輸出量は、217万bpdだった4月より少なかった。ロシアは5月、19ヵ月ぶりに再びトップの座に就いた。
20日に公表された税関データでは、中国が5月にイランから26万トンの原油を輸入したことが示された。このイランからの輸入は昨年12月から数えて3回目となり、先日のロイター通信の報道が裏付けられた格好となった。
イランに対するアメリカの制裁にもかかわらず、中国は、表向き他国からの輸入であるとして、イラン産原油を密かに輸入し続けてきた。その水準は、中国の原油総輸入量の約7%に相当する。
中国の5月の原油総輸入量は、低い水準だった前年同月と比べて12%近く増加し、1,080万bpdとなった。2021年の平均値は1,030万bpdだった。
税関の報告によると、ベネズエラからの輸入はゼロだった。アメリカの二次的な制裁に抵触することを恐れて、中国の国営石油会社は2019年末以降、同国からの原油の購入を控えてきた。
ここ2年間、イラン産とベネズエラ産の原油輸入の中継国としてよく使用されてきたマレーシアからの5月の輸入量は、220万トンだった。4月と比べて安定した伸び方を示したが、前年同月と比べると2倍以上に増えた。
中南米の輸出企業がイラン産とロシア産の安い原油との競争に直面する中、ブラジルからの5月の輸入量は、前年同月比19%減の220万トンとなった。