アラブニュース
リヤド:サウジアラビアのアブドルアジーズ・ビン・サルマン エネルギー相は29日、リヤドでロシアのアレクサンダー・ノバク副首相と会談した。サウジエネルギー省がツイッターで明らかにした。
両大臣は、サウジアラビアとロシアの合同委員会による作業の最新状況や、両国間の協力のさらなる可能性について協議したという。
今回の会談は、8月3日に開催される石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の会合に先立って行われた。
OPECプラスは、特に米国から、世界の石油価格を下げるために増産するよう圧力を受けている。
米国のバイデン米大統領は今月、増産に向けての交渉をまとめることを期待してサウジアラビアを訪問したが、その期待はかなわないだろうとOPECプラスの関係者はロイター通信に語った。
同通信によると、OPECプラスは9月の原油生産量について、小幅な増産も議論するだろうものの、基本的に据え置くことを検討する予定であるという。
サウジアラビアは、OPECプラスが石油市場の安定維持に重要な役割を担っており、あらゆる選択肢を積極的に検討していることを明らかにしている。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相は今月19日、「アラブニュース・ジャパン円卓会議」のイベントで、OPECプラス内での対話内容を「非常にしっかりしたもの」だとして、「石油市場からの要求に必要に応じて対応している」と語った。
また、「私たちは市場で不足しているのは石油ではなく、精製能力だと見ている」とも外相は述べている。
OPECプラスは、前回の7月の会合で、8月に日量64万8000バレルの増産を行う計画を堅持することで合意している。
来月の会合では、小幅な増産にとどまるという見通しで、29日の欧州の取引では原油価格が上昇した。
ブレント原油先物9月限は、0933GMT(日本時間午後6時33分)に2.34ドル高の1バレル109.48ドルとなり、7月5日以来の高値となった。 より活発な10月限は2.30ドル高の104.13ドルだった。
米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物価格は、2.16ドル高の1バレル98.58ドルだった。
コメルツ銀行のアナリスト、カーステン・フリッチ氏は、「欧州の石油市場は米国よりもかなりタイトで、これはブレントのフォワードカーブの急激な低下にも反映されています」と述べた。