
東京電力福島第1原発2号機からの、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しについて、東電は25日、年内の開始を延期し、2023年度後半を目指す方針を明らかにした。デブリ取り出しの延期は2度目。廃炉作業全体のスケジュールへの影響はないとしている。
東電は当初、21年中にデブリの試験的な取り出し作業に取り掛かる予定だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で準備に遅れが生じ、22年中に開始時期を遅らせていた。
今年2月から取り出しに使うロボットアームの試験をした結果、炉内での接触を防ぐための改良が必要と判明。作業現場の準備にも時間がかかるため、準備期間を延ばす必要があると判断した。
東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明代表は記者会見で「拙速に進めて安全をおろそかにはできず、慎重の上にも慎重に進める必要がある」と話し、理解を求めた。
時事通信