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期待外れのIPOにも負けず、長期的視野で備えるソフトバンク創業者

説明文---- 孫正義は、2019年6月22日に台北にて開催されたDigitimes主催のフォーラム「G2 and Beyond」で講演した。 (AFP)
説明文---- 孫正義は、2019年6月22日に台北にて開催されたDigitimes主催のフォーラム「G2 and Beyond」で講演した。 (AFP)
20 Oct 2019 02:10:40 GMT9

フランク・ケイン

東京湾に面し、現代的な華やかさを持つソフトバンクのグローバルな本社に、19世紀の日本の英雄、坂本龍馬の像が立ち、片手を差し出して訪問者を歓迎している。

龍馬は、封建制度の下の鎖国と世界情勢における積極的な外交政策との間で決断を迫られていた時代に、近代化推進者であり、改革支持者だった。現代の事業の言葉を使えば、彼は「破壊者」だった。

このような理由で、龍馬は、ソフトバンクおよびその創業者である孫正義にとって、完璧な企業の象徴である。1981年にソフトバンクをスタートさせて以来、孫正義の特徴は破壊だからだ。

それ以来、孫氏は億万長者への階段を昇りつつ、出版、コンピューター、モバイル通信と、様々な業界を破壊してきた。孫氏は自らの人生哲学を説明し、「人生は一度しかありませんから、大きな夢を描きたいと思っています」と述べた。

龍馬のごとく、孫氏にはビジョンがある。彼は次の10年ではなく、これから50年先、100年先の我々の生き方の決定に手を貸しながら、テクノロジーを活用した世界を作りたいと望んでいる。そして彼にとっては、サウジアラビアは理想的なパートナーだ。

孫氏は、カリフォルニア州のシリコンバレー周辺を拠点とするハイテク・ベンチャーキャピタル産業を破壊した。未来型テクノロジーを開発する起業家のスタートアップの支援を目的として、1,000億ドルのビジョン・ファンドを開始したのだ。その一つのファンドだけで、合衆国のそれまでの既存のベンチャーキャピタル産業よりも大規模だった。

そのベンチャーの主要投資家はサウジアラビアだった---- パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から450億ドルまで出資。

2016年のムハンマド・ビン・サルマーン王太子の東京への行幸の際に、孫氏と王太子は会談で意気投合し、最初のビジョン・ファンドに向けた巨額の財源が確保された。さらに、このことによって、UAEのムバダラなどの他の投資家たちが勇気づけられ、彼らはサウジアラビアの後に続いた。

それから間もなく、当時としては最も型破りなテクノロジーに、何十億ドルもの資金が投入されようとしていた。最も議論を呼んでいるワークスペース事業のWeWorkと同様、Uberやその他の相乗りテクノロジーサービスの会社など、大手はよく知られている。

しかし、その他に、すぐに話題にのぼらないようなスタートアップもあった—— バイオテクノロジー、半導体、保険、農業、ロボット工学のスタートアップだ。犬の飼い主が、飼い犬の散歩を頼むことのできるアプリさえあった。あるベンチャーキャピタル専門家の言葉を借りれば、ビジョン・ファンドは「世界最強の投資家だ」。

全てを征服するそのイメージは、最近、2つの出来事によって痛手を負った---- 成功とは言えなかったUberの新規公開株公募(IPO)とWeWorkの株式上場の延期。

Uberの株式は、IPO価格の25%以上も下落した価格で取引されており、ソフトバンクは数十億ドルの評価損を計上する可能性もある。同様に、WeWorkの上場の失敗もまた、結果的にはビジョン・ファンドとソフトバンクにとって大きな打撃となるだろう。

孫氏は個人的に喪失感を覚えている。彼は最近、「結果を出すには依然としてまだまだ時間がかかり、私は戸惑い、焦っています」と口にした。

ビジョン・ファンドの関係者は、このファンドの投資が長期的なものであり、投資サイクルの途中で簡単に寸描を見てしまうと道を見誤らせてしまうと指摘している。彼らはまた、医療事業のGuardantやバイオテック企業の10x Genomicsなど、ポートフォリオ内のその他の企業への投資の方がうまくいっていると話す。

しかし、ポートフォリオ内のスター企業の期待外れの業績で、孫氏とサウジアラビアは途方に暮れている。

ソフトバンクのボスは、7月に、本物の破壊者の資質を発揮し、ビジョン・ファンドに続く、さらに大規模なメガファンド、ビジョン・ファンド2(VF2)の開始を発表した。書類上の出資総額は1,080億ドルで、野心的ではあるが非公式の目標となっている150億ドルを達成するには何ヶ月もかかるものだ。

サウジアラビアのPIFもUAEのムバダラも最初の投資ラウンドには参加せず、両者ともに、たとえ最終的にVF2への投資を決断するにしても、投資額を縮小して、はるかに規模を抑えるという意向を示している。11月初旬に予定されているソフトバンクの第2四半期の収益の発表時に情報の更新が予想される。

孫氏は、ビジョン・ファンドの場外で別の課題にも直面している。2013年に、アメリカの電子通信技術会社Sprintの買収に何十億を費やしたが、約束に掲げた成長は実現せず、今やSprintとT-Mobileの合併を望んでいる。その取引は法規上の問題にぶつかっている。合併の完遂を目にすることができなければ、孤立するSprintの見通しは暗いとアナリストは言う。

彼のメンターである坂本龍馬と同様に、孫氏は楽観的で長期的思考の持ち主だ。彼はかつて、「長い旅です。良い時も悪い時もあるでしょうが、ソフトバンクは常にそこにあります」と言っている。

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