ダナ・アロマール
ドバイ:UAEのWeb3のパイオニアであるBEDU社は、ドバイの首長シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下が火星に最初のコロニーを建設するという構想からインスピレーションを得て、2117という名称で国内初のメタバースプロジェクトを開始した。
BEDU社のCEOであるアミーン・アルザルーニ氏は、メタバースの名称「2117」は、2017年にシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下が、その年から100年後に火星に最初のコロニーを建設すると発表したことに由来するとアラブニュースに語っている。
「そこで、そのビジョンに触発されて、メタバースを『2117』と呼ぶことにしたのです」と同氏は語った。
新しく始まったメタバースは、ムハンマド・ビン・ラーシド・宇宙センター(MBRSC)の火星の宇宙レイアウトに合わせたもので、BEDU社はその上に、住宅、ホテル、娯楽施設、学校、大学、医療施設などを含む完全な世界を構築する計画だとアルザルーニ氏は伝えている。
同氏によると、このメタバースプロジェクトには数百万ドルが投資されているとのことだが、具体的な数字は明かされていない。
社名の由来はベドウィン語であるとした上で、同社の使命は「遊牧民の足跡をたどり、次の惑星を発見すること」であるとアルザルーニ氏は付け加えた。
「彼ら(遊牧民)は基本的にここの土地を発見し、地球を発見し、そして今、私たちは様々な地域を発見し続けます、次の行き先は火星です」と同氏は語った。
アルザルーニ氏によれば、メタバース2117の主眼は、見かけの空間的な方向に関係なく、人類の価値であるという。
「宗教、文化、人種の区別をせず、いかに寛容に人々が共に生きることができるか、という人間らしさとその価値観に多くのものを集中させています」と同氏は語った。
アルザルーニ氏は、2117は現実と並行して存在する没入型のデジタル世界であると説明した。火星のビジョンが現実世界で実現するには95年かかるが、BEDU社は既に今、メタバースでそれを実現しているのだという。
MBRSCは、BEDU社に空間レイアウトを提供するだけでなく、限りなくリアルなメタバースを作り出すために必要なデータも提供しているとアルザルーニ氏は述べた。
雇用の創出
アルザルーニ氏は、メタバースにおいては、企業はより速く、より簡単に規模を拡大でき、その結果、より多くの雇用が創出される可能性があると述べた。
5年後、10年後、メタバースに新たな雇用が生まれると同氏は言った。
「今後生まれると予想される職業の一つに、建築家とメタバースに存在するプログラミング技術の組み合わせがあります」と同氏は語った。
その結果、メタバースで役割を果たせるような建築家の考え方とソフトウェアプログラミングのスキルを持った学生が学位を得られるようなカリキュラムを大学に導入することで、新しいスキルセットが開発できるだろう、と同氏は付け加えた。
ソーシャル・インテグレーション
コンセプトとして、メタバースは既にさまざまな業種に存在し、『Roblox』や『Fortnite』などのゲームも既に簡潔に取り込んでいると、CEOであるアミーン・アルザルーニ氏は述べた。
「『デジタルツイン』という概念は、製造業や自動車事業、不動産事業などにも存在し、メタバースがいかに役立つかという一面もあります」と同氏は述べた。
ただし、世界はメタバースを現実に統合する初期段階であるとも同氏は付け加えた。アルザルーニ氏は「普及率にもよりますが、実装には少し時間がかかるでしょう」と述べた。メタバースを社会に実装するには、5年から10年かかると、同氏は続けた。
BEDU社の主な目的と戦略は、Web3分野で次なるユニコーン企業になることだとアルザルーニ氏は述べた。
「現時点では、私たちは皆平等です。Meta社も、Microsoft社も、他のメタバースプロジェクトも、そして当社でさえも、誰も自分たちが優勢だと主張することはできません」と同氏は語った。
メタバース2117のビジョンでは、人々はメタバースで働き、通学し、コンサートを楽しむことができるようになる同氏は述べた。
2117のタイムライン
この旅は「2117」において地球から離陸して始まり、火星に着陸するまでの7カ月間、ユーザーを宇宙空間に連れ出す。今年の12月にこの旅が始動する予定であるとアルザルーニ氏は述べた。
10月から一般ユーザーがメタバースに参加できるようになり、2022年12月上旬に終了する予定だ。
アルザルーニ氏は、この販売は2つの期間にわたって公開されると述べた。プライベートとなる最初の販売では、価格は合計0.2117ETH(イーサリアム)となる。一般向けとなる2回目の販売では、価格は0.25ETHとなる予定だと同氏は付け加えた。
デジタルウォレットを利用しているWeb3ユーザーが、ウォレットを接続し、暗号を使って2117にアクセスできるようになる、と同氏は語った。「つまり、最近の電子商取引と同じくらい簡単なのです」と同氏は付け加えた。
同氏は、10月末のBEDU社の発売と同時に、同社が共有するリンクから2117のメタバースにアクセスできるようになると話を締めくくった。