
アラブニュース
リヤド:サウジアラビアのエネルギー相は日量200万バレルの減産の合意について、価格つり上げではなく市場の安定化が目的だと主張した。
アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子はOPECプラスとして知られる、石油輸出国機構とその協力国が11月からの減産に合意したことで批判を受け、アメリカのジョー・バイデン大統領からは「失望させるものだ」という声が聞かれる中でこのように発言した。
エネルギー相は水曜日、OPECプラスの会合後の記者会見で「我々の目下の優先事項は需要と投資という観点からの市場の安定だ」と述べた。
ブルームバーグとのインタビューでは、王子はさらに踏み込んで、利益優先なのではないかという声に直接答えた。
「その種の主張は、我々が意図的に価格を引き上げようとしているのであれば、受け入れられるかもしれません。しかし、そのようなことは眼中にないのです。目指しているのは、確実に市場の状態を維持することなのですから」と彼はブルームバーグに語った。
原油価格はOPECプラスおよびその実効力ある決定のおかげで石炭や天然ガスと比較すると、急騰を免れているとアブドルアジーズ王子は付け加えた。
王子によると、OPECプラスの目的は価格の急騰を含む激しい値動きによって市場の流動性が増す中で現実的な目標にかなった、規律ある市場の状態を作り出すことである。
アブドルアジーズ王子はまた、今回の合意は適切で時宜にかなったものであり、現状ではサウジアラビアが追加の減産を行う必要はないだろうと指摘した。
「私は記者会見で、我々が注意深くあるためには、積極的に、先手を打って、先を見越した行動を取る必要が確かにあると申し上げました」と彼は話した。
大臣は続けて、サウジアラビアが減産の立役者であるという見方を否定し、今回のOPECプラスの決定はすべてのメンバーが参加して全会一致で下されたと主張した。
アブドルアジーズ王子によれば、市場にとってのリスクはドル高と利上げによるものだ。
王子はまた、目下のところ、ロシア産原油に上限価格を設定することの影響を見極めるのは不可能であり、不透明な状況と詳細なデータがない点を考慮すると、もう2か月ほど過ぎて事態がはっきりするのを待たなければならないとも指摘した。
さらに王子は、その時が来て初めて、各プレーヤーや生産者の反応が明らかになり、それを受けてより良い決断を下すことができるとも付け加えた。
彼の主張では、上限価格設定をめぐる不透明さにより、状況は不確かさを増しており、そこから事態がどう展開してもおかしくない。
「我々としては、多くの点でより多くの確実性が、利率、成長、為替、上限価格からゼロコロナ政策に至るまでの点でもたらされることを期待しています」とアブドルアジーズ大臣は語った。
大臣によると、現在の状況はこの業界での彼の35年のキャリアを通しても、例を見ないものだ。
アブドルアジーズ王子は、パンデミックの間も、市場は新型コロナという一つの変数に直面していたが、現在ではその影響が正負のいずれか、またはその両方であるような数多くの問題に対処しなければならなくなっている、と指摘した。
「様々な不確実性が、渦を巻いているような状況です。完全に道に迷う可能性もありますし、良い方向または悪い方向へ向かう可能性もあるでしょう。あるいはそれらが同時に起きるかもしれません」と彼は言った。