
アラブニュース
リヤド:米国とEUが主導する西側同盟による一連のロシア制裁により、インドと中国がより低価格で購入できるようになったロシア産原油の輸入を増やすことで、サウジアラビアから両国への原油輸出がわずかに減少する可能性がある。レポートが示唆した。
キング・アブドゥラー石油調査研究センター(KAPSARC)が発表した分析は、インドと中国のGDPは原油輸入価格の低下による恩恵を受けるだろうとしている。
ロシア制裁が世界経済に与える影響に関するこのレポートは、ロシアのエネルギー輸出に対する制裁は全世界GDPに最低限の影響しか与えないと見ている。
「原油供給における突然かつ予期せぬ世界的シフトがサウジアラビアに与える当面の影響は、インドと中国における市場シェアの短期的な低下である」と、KAPSARCによるレポートでは述べられている。
「その反映として、ロシアの原油生産へのショックが起こらなかったとした場合と比較して、サウジのGDPは0.1~0.2%の小幅な減少を示している」
一方、「ニッケイ・エイジア」による最近のレポートは、ウクライナ侵攻以降ロシアから中国とインドへの化石燃料輸出が大幅に増加していることを示している。
このレポートによると、7~8月のロシアからのエネルギー輸出額は、2~3月と比較して、対中国が17%増、対インドが5.7%増となっている。
KAPSARCのレポートでは、ロシアのエネルギー輸出に対する制裁の影響で、原油価格が今後2年間で基準均衡価格と比較して年5%上昇する見通しも示されている。
KAPSARCが先週発表した別のレポートは、欧米によるロシア制裁が効果的であれば世界の原油市場がより逼迫する可能性があるとしている。
ロシアのエネルギー輸出を代替するための実行可能な選択肢を取ることが困難であると思われるためだ。
KAPSARCの研究員であるコリン・ウォード氏が執筆したこのレポートは、米国とカナダが代替の輸入先確保に成功したことを指摘している。
両国は過去にロシアからの輸入に依存していなかったためだ。
一方、長年ロシア産エネルギーに依存している欧州諸国は困難に直面した。