
ロンドン時事:週末21日の外国為替市場の円相場は一時1ドル=151円台に下落し、約32年ぶりの円安水準を更新した。米長期金利の上昇を背景に、日米の金利差を意識した円売り・ドル買いが膨らんだ。急激な円安を受け、市場では日本政府・日銀による大規模な為替介入への警戒感が一段と強まっている。
円相場はこの日の東京市場で150円台前半から半ばに下落。欧州時間に入ってから円売りが加速した。ロンドン時間午前11時半現在は151円00~10銭と、前日午後4時比1円45銭の大幅な円安・ドル高。
鈴木俊一財務相は21日の閣議後記者会見で「急速で一方的な円安進行は望ましくない」と過度な円売りをけん制した。ただ、日銀の黒田東彦総裁は都内で開かれた会合で、金融緩和を継続する考えを強調。市場では日米の金融政策の違いに基づく円安圧力が強まる中、政府・日銀の介入への警戒感も高まっており、今後も神経質な値動きが続きそうだ。
市場関係者は「介入を意識して円売りのペースは遅くなっているが、円安基調は明確。年内に155円程度まで下落してもおかしくない」(大手邦銀)とし、今後もじりじりと円安が進むと予想した。
円は対ユーロでは午前11時半現在、1ユーロ=147円20~30銭と、前日午後4時と同水準。
時事通信