
ワエル・マフディ
サウジアラビアは、主要な収入源である石油からの脱却に向けた取り組みを強化しており、第4次産業革命のすべての要件に適合する産業基盤を持つことになる、と同国の経済大臣は述べている。
「2年以内に、すべてではないにしても、ほとんどの工業都市が4IR(第4次産業革命)を可能にすると信じている」。
リヤドで開催された第6回「FII」(フューチャー・インベストメント・イニシアチブ)に出席したサウジアラビアのファイサル・アル・イブラヒム経済相は、アラブニュースに対してこのように語った。
「第4次産業革命センターを設立したのは、この世界や領域、つまりインダストリー4.0が、我が国が競争力のある輸出国へと飛躍する上で役立つと認識しているからだ」
さらにアル・イブラヒム氏は、「若者の能力を活用し、彼らのために質の高い仕事の機会を創出することもできる」とも述べた。
第4次産業革命は、「4IR」または「インダストリー4.0」とも称され、ロボット、クラウドコンピューティング、センサーなどを駆使して製造工場の生産性を向上させる世界的な産業高度化の新潮流となっている。
サウジアラビアは、「ビジョン2030」計画のもと、経済の多角化に向けた努力を急ピッチで進めている。
「我が国の長期的な経済的課題は、成長の源泉の多様化だ。ビジョン2030と我が国が現在示している構想はすべて、我々の経済を多様化し、より強く、弾力的な構造を経済に持たせるためのものだ」(アル・イブラヒム氏)
同氏は、「我々は、ブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の活動、現在我が国が採用している政策、既に着手された戦略、新しいセクターなど、多くの取り組みを通じて多様性の向上を目指している」と付け加えた。
一つの有望な兆候としては、今年の直近の四半期、非石油部門の活動が8.2%の伸びを示したことだという。
「そして、正味の税の影響を除けば、伸び率は6.1%となる。これは過去11年間で最高の数字だ。まだ我々の目標値を下回っており、今後さらに成長を速めたい」とアル・イブラヒム経済相は続けた。
「RDIの優先順位、研究・開発、イノベーションの優先順位、産業戦略、最近発表されたグローバル・サプライチェーン・レジリエンス・イニシアティブなど、我々が示しているすべての戦略は、原油という単一の商品価格から我が国を切り離し、より幅広く多様で複雑な非石油輸出基盤を持つことを目的としている」。
アル・イブラヒム氏はこのように述べた。
サウジアラビアは今年、G20の中で最も経済成長の速い国の一つとなっている。アル・イブラヒム氏は、経済省が同グループ内でのサウジの地位を向上させるために、データの活用の強化に注力していると述べた。
「Vision 2030を旗印に行っているすべてのことは、既にG20の中で私たちを前進させる原動力になっている。データの競争力、データ環境、データのガバナンス、データの品質と可用性をG20の中で確実にトップクラスにしようとしている。しかし、それらだけではなく、制度的能力、分析の厳密さ、提供するソリューション、ソリューションの提供方法、成果の測定や評価の方法についても、G20でトップクラスの水準にしたい」。
同氏はこう付言した。
国際通貨基金(IMF)によると、サウジアラビアは、インフレ率の上昇と金利の急上昇による混乱にもかかわらず、G20の中で最も経済成長の速い国としての地位を今後も維持するとみられている。
米国に本部を置くIMFは、今月発表した最新のレポートで、2020年のサウジアラビア経済の成長率の予測値を7.6%とした。これは4月時点の予測値と同じ数値だ。
IMFは、2022年にアラブ諸国の中で最も速い経済成長を遂げる国をイラクだと予想しており、その成長率の予測値は9.3%となっている。