
ヌール・エル・シャエリ
カイロ:第2回未来鉱物フォーラム(FMF)がサウジアラビアで1月10日から12日まで開催され、鉱物産業における今後の動向や課題についての議論が行われる。
リヤドのキング・アブドルアジーズ国際会議センターで開催されるFMFでは、政府関係者や企業幹部を含む鉱物産業のグローバルリーダーが一堂に会する。
200人以上が講演し1万3000人以上が出席するこのフォーラムは、アフリカ、西・中央アジアにおいて信頼できる弾力的な鉱物・金属サプライチェーン・バリューチェーンを創出することに焦点を当てる。
FMFが扱う予定のテーマは、持続可能性、鉱業の未来、エネルギー移行、社会の発展に対する鉱物の貢献、デジタル変革、統合的なバリューチェーンなどだ。
1月10日の閣僚級円卓会議から始まるこのフォーラムには、鉱物産業のハイレベル政府関係者や非政府組織が集まる。
新たなフロンティア
2日間にわたって開催されるこのフォーラムには、100ヶ国以上からリーダーが集まり、「世界の現状」「地域」「サプライチェーンの脱炭素化」「デジタルと新テクノロジー」「コミュニティと未来の労働力」という5つの重要なテーマについて議論する。
「世界の現状」では、グローバルな文脈における地域の鉱物開発、欧州の戦争が将来の鉱物供給に与える影響、地域の産業に影響を与える経済・環境・政治の発展などが議論される予定だ。
「地域」では、重要な鉱物の需給の未来についてのより掘り下げた議論が行われるとともに、鉱物のホットスポットの探索や対話から行動への転換などが検討される。
「サプライチェーンの脱炭素化」では、再生可能エネルギー、説明責任、トレーサビリティ、サプライチェーンの電化が話題の中心となる。
「デジタルと新テクノロジー」ではイノベーションとデジタル化を通して鉱物セクターを再考する。「コミュニティと未来の労働力」では鉱物産業における多様性、技能開発、リーダーシップを探究する。
1月11日には、「機会に恵まれた土地:アフリカおよび西・中央アジアにおける鉱物産業開発の実現」というサブテーマのもと、いくつかの炉端会議、ライブインタビュー、パネルディスカッションが行われる。
その後、2つ目のサブテーマ「エネルギー移行のための鉱物再考」に進んだ後、最長の時間を使って3つ目のサブテーマ「卓越した地域拠点の創出に向けて・パート1」のもとで議論が行われる。
1月11日には、サウジアラビアのバンダル・アル・ホレイフ産業・鉱物資源相が導入として、閣僚級円卓会議で議論されたテーマおよび2023年のフォーラムの基礎についてのオープニングプレゼンテーションを行う予定だ。
鉱物産業における政府の役割に関するパネルディスカッションには、サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資相とムハンマド・アル・ジャダーン財務相に加え、エジプトのターレク・エルムッラー石油・鉱物資源相、カザフスタンのカイルベク・ウスケンバエフ産業・インフラ相、コンゴのアントワネット・ンサンバ鉱山相、イギリスのグラント・シャップス民間企業・エネルギー・産業戦略相が参加する。
持続可能性リーダーシップ
炉端会議では、サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子がライブインタビューのゲストとして、再生可能エネルギー供給におけるグローバルリーダーとしての同国の役割について語る。
1月12日には、鉱物セクターにおける教育の重要性についてワークショップ2つとパネルディスカッションが行われる。
サウジアラビアのユセフ・アル・ブニャン教育相は、国内および地域において鉱物の新時代のために熟練労働力を提供することについてのインタビューを受ける。
1月12日にはアブドルラハマン・アル・ファドリ環境水資源農業相も登場し、持続可能性に向けたサウジアラビアの野心について説明する。
他にも、「サウジアラビアの新たな鉱物産業を支援するためのイノベーションとイニシアティブ」や「COP28に向けて:気候変動対策の最前線に鉱物を位置づける」などの興味深い議論が行われる。
FMFの主な目的は、パネルディスカッションと3つのワークショップを通して鉱物開発の未来を描き地域への投資を呼び寄せることだ。
未来のテクノロジー
フォーラムのかなりの部分を占めるのが展示会だ。世界や地域の鉱物・テクノロジー・エンジニアリング・設備・エネルギー関連企業が、探索のあらゆる側面から重要鉱物の加工までを紹介する。
今年のプログラムには、現在の最新テクノロジーや未来のテクノロジーを紹介する特設デジタルゾーンも新たに登場する。さらに、屋外展示や、アフリカおよび西・中央アジアの新興鉱業地域における投資機会を紹介する特設スポットも用意される。
鉱業技術ゾーン、マーケットプレイス、シンクタンク、グローバルコネクトプログラムなども予定されている。
サウジアラビアのハリド・アル・ムダイフェル産業・鉱物資源副大臣は声明の中で次のように述べた。「地域や世界と共有できるような、コンプライアンスを超えた持続可能な実践、それを確立するための取り組みを始めるために必要なものはこのフォーラムに全て揃っている」
サウジアラビア産業・鉱物資源省が2022年に始めたFMFは、アフリカから西・中央アジアまでの鉱物産業の機会を推進し可能性を解き放つことを目指すものだ。
イベントを成功させるとともに、シンクタンクが鉱物セクターの未来についてのアイディア創出をさらに促進できるように、複数のグローバルリーダーと提携している。
FMF2023は、ディベロップメント・パートナー・インスティテュート、クラレオ、ライス大学ベーカー公共政策研究所エネルギー研究センター、ペイン・インスティテュートとの提携で、鉱物セクターの発展についてのダイナミックな知見を提供する。