東京:トヨタ自動車は26日、豊田章男氏が4月1日から社長兼CEOを退いて会長に就任するのにともない、日本最大の自動車メーカーの舵取りを同社のチーフブランディングオフィサーへ引き継ぐと発表した。
発表によれば、新CEOには、トヨタの高級ブランド「レクサス」のプレジデントも務める53歳の佐藤恒治氏が就任する。現会長の内山田竹志氏は会長職を辞退するが、取締役会に残る。
創業者の孫にあたる66歳の豊田氏の後継が誰になるのかという問題には、投資家の関心がますます高まっていた。
豊田氏が頂点に立って会社を統率した10年以上の間、自動車業界は激しく変化した。トヨタのような古参の自動車メーカーが、機敏な動きの目立つテスラのような新規参入企業からの挑戦をどのように回避できるのかという不安が高まっていた時期でもあった。
社長としての任期中には、豊田氏は環境投資家や団体からの批判の矢面にも立った。電気自動車の導入に消極的だというのが批判の理由である。
豊田社長は記者会見で、トヨタの指揮を執ることになったその任期は、2009年に世界的な景気後退の影響を受ける中で始まり、トヨタにおけるリコールや安全問題、さらには2011年の東日本大震災に続いた混乱と、「危機に次ぐ危機」を経てきた、と述べた。
昨年6月の株主総会で、豊田社長は後継者育成について問われ、「後継者の時期と選定を考えている」と述べていた。
豊田社長は26日、佐藤氏が選ばれたのは、「トヨタの哲学を学ぶために懸命に働いた」からであると述べた。
「CEOには若さ、エネルギー、強さが必要です」
トヨタ自動車のウェブサイトに掲載されている経歴によると、佐藤氏は1992年にトヨタ自動車へ入社。その後に出世の階段を登り、2016年にトヨタの高級自動車ブランドであるレクサスインターナショナルのチーフエンジニアに就任した。
2020年からは、レクサスインターナショナルと、トヨタのモータースポーツブランドであるガズー・レーシングカンパニーのプレジデントを務めている。また、2021年1月にトヨタの役員に就任し、チーフブランディングオフィサーに任命されている。
ロイター