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アジア開銀、COP27で重要な取組みに着手へ

ADBは極度の貧困を撲滅し、強靭かつ持続可能なアジア太平洋地域の実現を目指す。(WAM)
ADBは極度の貧困を撲滅し、強靭かつ持続可能なアジア太平洋地域の実現を目指す。(WAM)
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01 Nov 2022 02:11:31 GMT9
01 Nov 2022 02:11:31 GMT9
  • 各構想はアジア太平洋地域の気候変動の影響を対象としている

アラブニュース

ドバイ:アジア開発銀行(ADB)は、気候変動に関する国連会議COP27を契機に、いくつかの旗艦プロジェクトに着手する計画を発表した。エミレーツ通信(WAM)が伝えた。

この会議は、アジア太平洋地域が気候変動の影響で激化する気象現象に対処する上で、重要な時期に開催されると同行は述べた。

また同行は、COP27は、国際社会が一丸となって大規模な脱炭素化を目指すと同時に、途上国への譲歩的資金や無償資金を大幅に拡大する機会であると指摘した。

この重要な意思決定フォーラムの場で、ADBは、アジア太平洋地域における水管理の促進を目的とした「アジア太平洋水強靭化構想」と、海洋の健全性の回復、沿岸の復元性の構築、持続可能なブルーエコノミー(海の経済)の発展を目的とした「太平洋資金調達ハブ」を立ち上げる予定。

また、低炭素で復元性の高い経済への移行がもたらす利益が平等に共有され、いかなる個人、コミュニティ、地域も取り残されることがない社会を目指す、いわゆるジャスト・トランジション(公正な移行)への支援プラットフォームも立ち上げる予定だ。

さらに、ADBはアジア太平洋地域において、援助国や慈善団体からの保証や助成金拠出を利用し、1ドルにつき4ドルを活用する革新的な気候変動向け融資制度(IFCAP)を試験的に導入している。

IFCAPは、気候変動への適応とその軽減の両面で切望されている投資を促進する。

この12ヵ月、特にアジア太平洋地域では、人間が気候に与える負の影響が浮き彫りになった。

パキスタンの洪水、中国の極度の干ばつ、太平洋諸島の熱帯低気圧、フィリピンの台風は歴史的に壊滅的な被害を与えた。

厳しい気象現象が激化し続ける中、地球温暖化を1.5度以下に抑えるというパリ協定と国連気候変動枠組条約の目標を達成するためには、COPの成果が極めて重要となる。

ADB気候変動特使のウォーレン・エバンス氏は、次のように述べた。「気候変動の影響をすべて回避することは不可能であり、既にそのような影響が出ている。

そのため、私たちは、最も脆弱なコミュニティの回復力を高めることに注力しなければならない」

「COP27 では、気候変動への適応策の規模拡大、適応資金へのアクセスの導入、強化に焦点が当てられる」(エバンス氏)

「アジア太平洋地域の気候変動対応銀行として、ADBは2019年から2030年までの気候変動関連融資の目標を800億ドルから1,000億ドルに引き上げ、そのうち340億ドルを変動適応のために割り当てる」(同)

「こうした貢献の最近の例としては、ADBの積極的な反循環的支出による回復力強化プログラムの下、パキスタン向けに15億ドルの融資を行っている。また、この強化プログラムには、今年の壊滅的な洪水後の気候変動への適応を促進するための支援や、バングラデシュの22の沿岸都市の気候や災害に対する回復力を強化するための2億5千万ドルが含まれている」(同)

「今こそ、そうした資金を導入、強化する時だ。その場合、各国が気候変動に適応し、より強靭になるために、その資金を真に活用できることが条件となる」。ウォーレン氏はこう付言した。

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