ラマ・アルハマウィ
リヤド:キング・アブドゥラー金融街(KAFD)は、KAFD内の地表へのヒートアイランド現象を軽減して気候変動に対処するために、中東住友商事会社の革新的で環境に優しい技術を活用する覚書を、1月31日にリヤドで締結した。
KAFDのCEOであるゴータム・サシッタル氏は、アラブニュースの取材に対し、「我々にとって、この新しい技術で住友商事と提携することは非常に重要です。なぜなら、地区として、KAFDとして、温室効果ガス排出の削減とヒートアイランド現象の軽減は非常に重要であり、住友商事とともにこの技術を用いることが我々の助けになるからです」と語った。
サシッタル氏によると、KAFDの観点からは、持続可能な地区であることが非常に重要である。「我々には、これまでに実施した、あるいは実施中の取り組みがいくつかありますが、それは我々の信用を高めるための持続可能な解決策の一部にすぎません」と彼は述べている。
フォーチュン500に選ばれている世界的な貿易・事業投資企業である住友商事グループの子会社である住友商事は、KAFDが目指すスマートシティ開発とエネルギー効率の高いインテリジェントビルの実現に向けた技術的進歩を支援するため、KAFDおよびマネジメントカンパニーと協定を締結した。
KAFDに適用される予定の、赤外線を反射するための製品は、日本の住友商事が製造しており、最先端の技術が用いられている。それによって、ヒートアイランド現象による表面温度と熱流とメンテナンスコストが削減される。
中東住友商事会社の森肇社長は、「このプロジェクトでKAFDと協力し、当社の先進的なソリューションを導入する機会を得たことを光栄に思います。持続可能性は双方にとって最重要課題です。今回の協定により、KAFD DMCと協力し、その施設のエネルギー効率を高めるために当社の経験を共有できることを楽しみにしています」と述べている。
ヒートアイランド現象は、気温の高い都市で、構造物や舗装が太陽の熱を吸収して周辺に再放出することで発生し、気候変動の影響を強め、健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
この協定により、住友商事はすでにKAFD内の数カ所で2つの製品のパイロットテストを開始する予定である。1つはMIRACOOLと呼ばれている製品であり、日射にさらされる建物や施設の表面温度を下げる。もう1つはPERFECT COOLと呼ばれる製品であり、舗装表面に冷却コートを施すことで表面温度を下げる太陽熱遮断型舗装である。
このような協力関係のもと、KAFDはPERFECT COOLコーティングを実施する予定である。その特殊な熱反射顔料の配合で赤外線が反射されることによって、日中は路面温度の上昇が抑えられ、夜間は放射熱が抑えられる。
「気候変動への対策は、近代的で持続可能な大都市としてのKAFDの優先事項です。2030年までに19億人が熱ストレスにさらされると推定されており、今回の住友商事とのコラボレーションは、この地区が熱に強く持続可能な冷却ソリューションを開発する絶好の機会です。
温度を下げることで、テナントや居住者、従業員の生活と労働環境の向上に貢献します」とKAFD DMCのCEOは述べている。
サシッタル氏はアラブニュースの取材に対し、舗装にこの技術を使用することで、ヒートアイランド現象が軽減されるだけでなく、KAFDの資産の寿命も延びると説明した。
「我々は二酸化炭素排出量を最小限に抑えるために、いくつかの取り組みを検討してきました。地区全体に高度な廃棄物処理システムがあり、水はリサイクルされており、地区全体に冷水を供給する冷却プラントがあります」と彼は述べている。
「昨年は大規模な緑化運動を実施し、現在ではおよそ700本のヤシの木、4,000枚の張り出し屋根、そして昨年植えた約50万本の低木や灌木があり、これらはすべて、我々が住友商事とともに実施している、暑さを軽減してより快適で持続可能なものにするという取り組みに敬意を表すものなのです」