
ニルマル・ナラヤナン
リヤド: ビジョン2030で示された目標に沿った投資先としてサウジアラビアが着実に存在感を高める中、同国では、2022年内の投資ライセンス発行件数が4,358件(2021年比53.9%増)に達した。
サウジアラビア投資省(MISA)の月次報告書によると、2022年第4四半期に承認されたライセンス数は、「タサトゥール」隠蔽防止運動で交付されたものを除き、前年同期比30.7%増の1,276件となった。
MISAは報告書の中で、「発行件数の増加は、サウジアラビアが、安定したビジネスフレンドリーな投資環境など競争上の優位性を持つ魅力的な投資先として、地位を高めつつあることを反映しています」としている。
同省はさらに、2022年第4四半期に政府の歳入総額が2838億SR(756億4000万ドル)に拡大し、2021年同期比で5.4%の伸びを記録したことを明らかにした。
MISAの見通しによれば、2022年には歳入総額が年間ベースで27.8%増の1兆2300億SRに達するとされている。
また、2022年第4四半期の歳出が年率1.8%減の3,313億SRに削減されたことも、同省データによって示されている。
もっとも、2022年の政府支出は2021年比で9%増の約1兆1300億SRに達すると予想されている。
サウジ証券取引所の株価指数サウジ・タダウル全株指数は、2022年第4四半期に年間ベースで7.1%下落し、新興市場のNOMU Parallel Market Cappedは同期間に25.2%の下落を記録した。
MISAの報告書では、指数下落の原因は、世界経済の不確実性と原油価格の変動にあるとしている。
2022年第4四半期の同国インフレ率は、2021年同期比で3.1%に上昇した。
MISAの報告書では、インフレ率の上昇は、住宅、水、電気、ガス、その他の燃料の価格が5.6%、食品・飲料が4.0%上昇したことなど、様々な要因が重なったことによるものであるとしている。
2022年第4四半期の不動産価格指数は、住宅用不動産価格の上昇(2.6%)に牽引され、前年同期比にして1.6%上昇した。
報告書によると、2022年通年の不動産価格指数は年率1.1%の上昇を示した。