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インタビュー:フェラーリが中東で情熱的に加速

10 Feb 2020
ルイ・グラネーナによるジョルジオ・トゥッリのイラスト
ルイ・グラネーナによるジョルジオ・トゥッリのイラスト
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Updated 10 Feb 2020
10 Feb 2020
  • 世界的に著名なイタリアの自動車メーカー、サウジアラビア市場で大々的にドライブをかける計画を語る

フランク・ケイン

ジョルジオ・トゥッリは情熱的な人物だ。彼は著名なイタリアの自動車メーカーフェラーリの中東地区ゼネラルマネージャーとして、中東で彼が販売する超高速車や、サウジアラビアで急増しつつあるフェラーリ購入者たちについて、彼の思いを熱く語る。

「サウジアラビアにおけるこの変遷を文化的な観点から見てみると、興味深いものがあります。ここにはフェラーリの情熱的な顧客が大勢います。彼らはフェラーリという車に夢中ですし、自分のフェラーリを彼らの好みや期待に合わせて「スペックのカスタマイズ」をするのも大好きですし、当社のブランドをこよなく愛しています」と彼は先週アラブニュースに語った。

トゥッリと中東フェラーリにとって、この数日間は忙しい日々だった。彼はクラブ・チャレンジを開設した。これはサウジにあるレース場でフェラーリのオーナーたちに本物のレーシングカーに試乗させるというサービスだ。翌日、ニューヨーク株式市場に上場しているフェラーリは2019年度の決算報告を発表した。世界全体で大幅な販売の伸びを見せ、とりわけアラビア湾沿岸地域での伸びが傑出している。その後彼は新型スーパーカー「ローマ」の、 ヨーロッパに次ぐ初公開を行った。

「世界的にも中東地域についても、過去最高の売り上げといえます。2019年は素晴らしい一年でした」とトゥッリは言う。彼の生家はイタリアのマラネロにあるフェラーリ世界本社のすぐそばで、彼の血の中にみなぎる情熱が手に取るように感じられる。

中東での高級車ビジネスは常に好調で、その人口に対する売上高は世界の他の地域を上回っている。アラブ人は高速高性能の車が大好きで、安価なガソリンがふんだんにある同地域では、自分の理想とするスタイルと性能の両方を兼ね備えた車を思う存分追求しようとする。おなじみのプランシングホース(跳ね馬)のバッジをつけたフェラーリ車が中東進出してから26年が経ったが、同社は高級市場向けスピード車の利害関係者間における激しい競合の中で先頭を切ってきた。

「フェラーリの強みはその走り、高級感、顧客サービス、テクノロジーで、それらに尽きます」とトゥッリは言う。彼が中東のドバイ、アブダビ、バーレーン、マスカットで立ち上げた「パッショーネ・フェラーリ」クラブ・チャレンジは、ヨーロッパ以外ではこの地域が唯一の実施場所だ。フェラーリの強みを全てパッケージ化し、同地域で最も知名度の高いレース場で全機能をそなえたフェラーリレーシングカーを運転させるというサービスをフェラーリオーナーたちに提供し、年10万ドルの収益を上げている。

「愛車で道路を走るのを楽しむオーナーもいれば、レースイベントや競技に出場したがる オーナーもいます」とトゥッリは説明する。

略歴

出身:1978年にイタリアのパルマで生まれる

学歴:パルマ大学、経済学専攻

経歴

  • マセラティ社、プロダクトマネージャー
  • オリンピア・スプレンディド(Olimpia Splendid )社、マーケティング&コミュニ ケーションマネージャー
  • テクノジム社、グローバルトレード・マーケティングマネージャー
  • フェラーリ中東、ゼネラルマネージャー

リヤド近郊のアルキディヤリゾートのレース場が完成すれば、サウジアラビアはハイスピードカーレース開催地のリストに名を連ねることになる。むこう18ヶ月ほどで完成予定で、完成すればここは世界最大のレース場となる。トゥッリはサウジのドライバーたちからの熱烈な反応を期待している。彼らは昨年開催地が偶然リヤドとなったフェラーリモータース ポーツフェスティバルにも大いに関与した。

「サウジには実に素晴らしいフェラーリオーナーのクラブがあります。サウジ国内でも運転しますし、アラブ首長国連邦やバーレーンにも乗りに来ます。イベントのある時にはイタリアへもやって来ます。彼らは大変情熱的で、サウジアラビアでこうしたオーナーたちの熱意を感じられるのは嬉しいことです」と彼は言う。

レジャーやエンターテイメントに関する従来の保守的なルールが緩和されつつあるといったサウジアラビアでの変化の潮流も、フェラーリにとって有利な要素となっている。

「以前とは違う雰囲気が生まれており、関心や活気が感じられます。人々は楽しみを見出し、自分の国と自国の素晴らしさを楽しみ味わおうとしています。

こうした活気や雰囲気は消費者の行動や期待にも反映しています。フェラーリを購入することは特別な褒賞を意味し、心からの喜びであり、世の中のムードや潮流が前向きなことは我が社にとって間違いなくありがたいことです」と彼は続けた。

先週行われたフェラーリのビッグイベントの一つ、2019年度の決算報告発表において、中東が傑出した要素となった。フェラーリの販売が1万台を越すという史上初の快挙を達成し、37.6億ユーロ(40億ドル)の歳入、前年比10%アップとなった。修正後純利益は8%アップで6億9,900万ユーロにのぼった。

フェラーリは2019年に5種の新規モデルを発表した。「強力な受注見込みを背景に顧客に奉仕を続け、その上でビジネスの変遷について計画を立てていくことになります。現在当社は有望なポートフォリオを持っており、当社の計画が持続されることに関して全面的な自信を持っています」と彼は語った。

ベストセラーの一つとして、衆目を集めるF8トリビュートがある。これはフェラーリの伝統的スタイルである正当派二人乗りスポーツカーで、一部の専門家に言わせると、これは車史上最もパワフルなV8搭載車だという。

フェラーリ株は2015年にニューヨークで上場されたが、高級車業界の株式公開(IPOs)は必ずしも成功の証とは言えなかった。イギリスの自動車メーカーがその例だ。高級市場向け自動車メーカーは研究開発のために巨額の資本投資を必要とするが、彼らは一体どうのようにして販売サイクルの振幅を吸収するのか?

「当社は今でも製造台数の比較的少ないメーカーであり、製造台数がうまく制御されています。当社モデルは単純な方針に基づいて製造されています。つまり市場の需要よりも少なめに供給することです。多くの新型モデルを誇りを持って導入し、常に多くの需要がありますが、当社としては我々の顧客に、フェラーリはそう簡単には手に入れることができないのだということに価値を見出していただきたいと考えています」とトゥッリは言う。

「ですから、販売達成はフェラーリにとって素晴らしい瞬間であり、市場が当社にうまく反応していることになります。全般的に高級車市場は順調ですが、特に当社の領域、つまり高級スポーツカー部門については好調です」

購入者たちは新車を手に入れるのに1年以上待つことを特に厭わず、その間に自車のカスタマイズについてフェラーリのデザイナーと相談し、フェラーリはそこからも旨味を得ている。

「個別仕様は当社の重要なビジネスの一つです。当社の中東の顧客は常に最高級を求め、自分の希望や好みに詳細に個別化された、この世に一台しかない車というものに純粋に関心を持っているのです」トゥッリは言う。

ドバイのショールームで、例えばポルトフィーノの豪華版長距離旅行車を80万ディルハムで購入するような人々は、贅沢な追加設備に金をかけることに糸目はつけない。「最も高額の車となると、天井はありません。全ては車のモデルと、こだわりをもつ常連客が何を求めているかによります」と彼は説明する。

トゥッリは「ローマ」が中東での次なる大当たりとなると考えている。「ローマ」は大量のピザがふるまわれたフェラーリファン向けのセレモニーでお披露目となった。「La Nuova Dolce Vita(新たな甘い生活)」という謳い文句のもとに販売が開始された「ローマ」は、イタリア風のスタイルとフェラーリのパワーを兼ね備えた正当派モデルだ。出足の注文表は「目を見張る」様相だとトゥッリは言う

近年の高級車市場における大きな潮流は、どの製造会社もSUVの開発販売に注力していることだが、この傾向はとりわけ中東で著しい。フェラーリはこれまで家族向けの車としては知られていなかったが、今後は「Purosangue(イタリア語でサラブレッド)」でこの部門に参入することを検討している。トゥッリは、2022年に市場進出を図ろうとしている新ブランドについての様々な企業秘密を今はまだ語ろうとはしない。

「SUV という言葉は使いません。それは当社が考えているものとは違うからです。フェラーリは他社とは一線を画します。当社の抱いているコンセプトはフェラーリの真髄を表現するものとなり、運転の性能や楽しさを、より広い多様性と組み合わせたものとなります」

マラネロの戦略プランナーたちの頭の中を占めているもう一つのことは、環境問題がますます深刻化する時代において、高速車業界をもっと大衆化させる必要性です。昨年フェラーリは初めてのハイブリッド電気自動車「SF90 ストラダーレ」を発表し、このコンセプトは今後さらに充実されていく。

「環境に対する将来的な制限に準拠できるよう、様々なテクノロジーを全て検討していますが、当社の明確な哲学はゆるぎません。制限や規制に準拠するばかりでなく、車の性能と運転の楽しさを向上させるような方法でテクノロジーを利用していきたいと考えています。」

「法規制への準拠は当然ながら我々の義務ですが、常に性能を向上させていくことも当社の顧客に対する我々の義務なのです」と、 さらに熱をこめてトゥッリは語る。

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