ニルマル・ナラヤナン

リヤド：サウジアラビアのアル・ファーレフ投資大臣は、ヨーロッパ諸国との関係の重要性を強調する中で、同国がフランス企業と提携することは、「ビジョン2030」で示されている目標の実現に直結すると語った。

6月19日にパリで開かれたフランス・サウジアラビア投資フォーラムで、アル・ファーレフ大臣は、両国はそれぞれのリーダーの強力な指導力のもとで経済目標を追求していると指摘した。

フランスのオリヴィエ・ベシュト・ヨーロッパ・外務大臣付貿易・誘致・在外フランス人担当大臣もその意見に同調し、サウジアラビアは、欧州諸国にとって中東地域における最も重要な貿易相手国であると述べた。

アル・ファーレフ大臣は、サウジが「ビジョン2030」イニシアチブのもとで経済を石油から多角化しようとしている中で、サウジとフランスの関係の重要性を主張した。

投資大臣は、フォーラムの開会スピーチで、「2026 年には、フランスとサウジアラビアの外交関係樹立 100 周年を迎えます。サウジアラビアの『ビジョン2030』の成果の多くに、フランスとサウジアラビアのパートナーシップが寄与することになるでしょう」と述べた。

そして、「両国は大胆な野心を抱いていますが、サウジの『ビジョン2030』とフランスの2030年計画を実現するという私たちの野心は達成されると確信できるだけの根拠があります。サルマン国王の指針のもとで指揮をとるムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下、そしエマニュエル・マクロン大統領の強力でダイナミックなリーダーシップを、両国、フランスは享受しているのですからなおさらです」と付け加えた。

アル・ファーレフ大臣は、2022年のサウジアラビアとフランス間の貿易額が110億ユーロ（120億ドル）に達し、2021年と比較して47%の成長を記録したことをスピーチの中で指摘した。

さらに、フランスが現在サウジアラビアにとって3番目に大きな投資国であり、投資額は150億ユーロに達していると述べた。

「私の記録によると、サウジアラビアには110社を超えるフランス企業があります。わが国で事業を展開するフランスの全額出資企業またはフランスの合弁事業に付与されたライセンスは360件で、その存在は2020 年以来43%拡大しています」と、アル・ファーレフ大臣は言った。

また、サウジアラビアの経済・投資実績は、「ビジョン2030」で示された目標に沿って成果を上げつつあり、同国は経済多様化の目標の多くを予定より早く達成する見込みだと付け加えた。

「サウジの『ビジョン2030』の開始から2030年の完了までの中間地点における国内の経済と投資の実績は、予定よりもはるかに進んでいます」

アル・ファーレフ大臣によると、フランスとサウジアラビアは、教育やアート、エネルギー、交通、航空などのさまざまな分野で強い関係性を築いているという。

今回のような投資フォーラムで、その関係はこれまで以上のレベルに引き上げられるだろうと大臣は述べた。

サウジアラビアはフランスの最重要の貿易相手国

ベシュト大臣は、フォーラムでのスピーチで、サウジアラビアとフランスは経済・貿易関係の勢いを保つために引き続き協力すべきだと主張し、持続可能な未来を確実につくり上げる上での両国の役割を強調した。

「フランスとサウジアラビアの共通の目標は、あらゆる次元で二国間関係を最大限強化することです。サウジアラビアは、湾岸地域におけるフランスの直接投資の主な投資先です」とベシュト大臣は述べた。

また同大臣は、5,000億ドル規模の持続可能な都市開発NEOMなど、巨大プロジェクトにおけるサウジアラビアの持続可能性実現の取り組みを特に称賛した。

そして、「気候変動問題に関しては、G20諸国として、この前例のない世界的な課題と闘う資金を確保するのがサウジアラビアとフランスの責任です。持続可能な都市は、フランスとサウジアラビアの企業間の緊密な協力関係につながる可能性があります」と付け加えた。

「私たちのビジョンの方向性は同じです。相互の投資を強化し、ノウハウや専門知識を提供し合うような、かつてなかった機会が実現するでしょう。私たち両国は、さらに持続可能な未来を築くために手を取り合って努力を続けなければなりません」