
鈴木俊一財務相は28日、渋沢栄一の肖像を採用した1万円札などの新紙幣について、2024年7月前半をめどに発行を始めると正式に発表した。国立印刷局東京工場(東京都北区)で新紙幣の製造工程を視察した後、記者団に明らかにした。発行開始日は約半年前までに決める。紙幣の刷新は04年以来、20年ぶり。
現金自動預払機(ATM)の改修などが必要になるため、鈴木氏は「金融機関や民間事業者には準備をお願いしたい」と呼び掛けた。国立印刷局は昨年量産を始めており、今年度は約30億枚を製造する予定。
新紙幣は、傾けると肖像が立体的に動いて見える3次元(3D)ホログラムや、透かし部分の背景の高精細模様など、紙幣としては世界初の技術を採用。鈴木氏は「偽造しづらく、誰もが使いやすい紙幣として親しまれることに期待する」と語った。
時事通信