中東地域訪問の一環として、8月7日から11日の間、世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」が、アブダビのザイード港に入港し、見学会を開いた。見学会には、ADNOC、エネルギー・インフラ省、マスダールおよびタワズン等の関係者が訪れ、日本の技術に大きな関心が寄せられた。
先月の日UAE首脳会談において、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンUAE大統領と岸田文雄日本国内閣総理大臣は、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する協力の強化や、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の成功に向け、国際社会における気候行動を主導することで一致した。
水素はカーボンニュートラル達成の鍵を握るエネルギー源であり、多くの国が水素のグローバルな貿易とサプライチェーン構築に向けて動いている。
今回の「すいそふろんてぃあ」のUAEへの寄港は、この先の日本とUAEのクリーンエネルギー分野での協力を進めるための、契機の一つとなるだろう。
「すいそふろんてぃあ」は川崎重工業によって建造された液化水素運搬船であり、2022年2月には、オーストラリアと日本の間での世界初の液化水素の海上輸送・荷役に成功した。液化水素は、LNGより約100℃低い温度を保つ必要があるが、この液化水素運搬船では、LNG輸送と同程度の軽微な損失で液化水素を輸送することができる。