リヤド： COP28の議長に指名されたスルターン・アル・ジャーベル氏は5日、アフリカ大陸に長期的な移行計画を策定するよう促すとともに、アラブ首長国連邦はアフリカのクリーンエネルギーイニシアチブに45億ドルを提供すると述べた。

ナイロビで開催されたアフリカ気候サミットで、UAEの高位の政治家は、アブダビ開発基金、エティハドクレジットインシュアランス、マスダール、アメアパワーなど、同国の公共部門と民間部門から資金が提供されることを明らかにした。

資金は、アフリカ政府とアフリカ開発銀行が設立した投資プラットフォームであるAfrica50と共同で分配される。

アル・ジャーベル氏は、この資金を発表する基調講演の中で、アフリカの指導者たちに対し、クリーンエネルギープロジェクトに対する商業金融を引き出す政策や規制の枠組みとともに、明確な移行計画や投資計画を打ち出すよう呼びかけた。

同氏は「このイニシアチブは、明確な移行戦略、強化された規制の枠組み、需給を統合する送電網インフラ整備のマスタープランを持つアフリカ全域の国々に優先的に投資する」と述べた。

「要するに、このイニシアチブはアフリカと共に、アフリカのために取り組むことを目的としている」

「イニシアチブはアフリカにおけるクリーン投資の商業的事例を明確に示すことを目的としており、また、アフリカを低炭素成長へフルスピードで導くために、模倣できるスケーラブルなモデルとして機能するであろう」

「アフリカは世界の排出量のわずか3％しか寄与していないにもかかわらず、最悪の結果に苦しんでいる。干ばつ、洪水、不作により、アフリカの人口の5分の1が飢餓にさらされ、過去3年間で避難民の数は3倍に増え、アフリカのGDP成長率は毎年少なくとも5％低下している」と同氏は述べた。

UAE高官はまた、アフリカにおけるエネルギー貧困の規模を認識し、「アフリカの人口のほぼ半数がいまだに電気を利用できず、10億人近くが清潔な調理用燃料を欠いている。アフリカの人口が増加するにつれ、このエネルギー格差は拡大する一方である」と述べた。

アル・ジャーベル氏はスピーチで、この融資がクリーンなエネルギー源づくりに対して現実に変化をもたらすために、アフリカで改善が必要なガバナンスの領域を指摘した。

これには、地方電力会社の財政的持続可能性の回復、基本的なエネルギーインフラの近代化、開発プロセスの明確化、市場のリードタイムを遅らせるお役所仕事の排除などが含まれる。 

アブダビ開発基金は10億ドルを拠出し、エティハド・クレジット・インシュアランスは5億ドルの信用保険を提供することでリスクを軽減し、民間資本を開放する。 

アフリカの22か国に参入しているエネルギー企業マスダールは、新たなイニシアチブの一環として20億ドルの追加出資を約束している。また、さらに80億ドルのプロジェクトファイナンスを動員し、インフィニティパワーのプラットフォームを通じて、2030年までにアフリカで10ギガワットのクリーンエネルギー容量を供給することを目標としている。 

アメアパワーは、2030年までに再生可能エネルギー容量を5GWにすることを目標に掲げ、50億ドル（うち10億ドルは株式投資、40億ドルはプロジェクトファイナンス）を動員する。

このイニシアチブは、2035年までにアフリカ大陸全域の1億人にクリーンな電力を供給することを目指す、UAE外務省が主導する開発プラットフォーム「エティハド7」の傘下に置かれる。

アル・ジャーベル氏は、気候変動資金を立て直す計画を強調した。彼は、「10年以上前に交わした1000億ドルの誓約を完了させ、グリーン気候基金を補充し、それと並行して、これからの時代に合った世界の金融構造の完全なるアップグレードが必要である」と支援国に求めた。

緩和への融資と適応への融資との不均衡を指摘し、同氏は支援国に対し、「2025年までに適応への融資を倍増させる」こと、そして「適応に関する世界全体の目標を、理論や文章から、具体的な行動と実際の結果に変える」ことを求めた。

COP28 UAEは、11月30日から12月12日までエキスポシティドバイで開催され、各国首脳、政府関係者、国際的な業界のリーダーなど7万人以上の参加者が見込まれている。

COP28指名議長は次のように述べた。「シャルム・エル・シェイクで約束されたことは、ドバイで完全に稼働しなければならない」

アル・ジャーベル氏は、気候変動は「世界的な戦いであり、世界的な解決策を必要とする」とサミットでの発言を締めくくった。「アフリカで負ければ、われわれは皆負け、アフリカで成功すれば、われわれは皆成功する。1国の進歩は、皆の進歩である」