

リヤド:2020年2月、競馬の世界が一変した。
この時、初めてリヤドのキング・アブドルアジーズ競馬場で開催されたサウジカップに世界の注目が集まり、この競争がドバイワールドカップを超えて世界で最も賞金が高いレースとなった。
賞金総額2,000万ドルを懸けたこの2日間のイベントには、世界中から最高のジョッキーが集まった。
2月28日金曜日、8レースで構成されるジョッキーズ・チャレンジが始まり、これにはサウジで最も才能ある騎手たちも参加した。
女性騎手が王国での騎乗を許可されたのは初めてのことであり、彼女たちはその日最も記憶に残る勝利を収めた。
この日4レース目のチャレンジレースで通算97勝目を挙げたスイスのシビル・フォークト騎手は、特別な相手を破ったことに喜びを隠せなかった。
「ランフランコ・デットーリは私のアイドルで、その彼に先着できたことをとても嬉しく思います」とフォークト騎手は語った。
翌日の2020年2月29日土曜日、サルマン国王が観戦するなか、マキシマムセキュリティがサウジカップの初代優勝馬として歴史に名を刻み、賞金の1,000万ドルを持ち帰った。
ルイス・サエス騎手が、このジェイソン・サーヴィス厩舎の4歳馬に乗り、多くの人が予想していた勝利を収めた。ミッドナイトビスーが2位で入線して350万ドルを獲得、ゴドルフィン所有のベンバトルが3着で200万ドルを獲得した。
その後の数週間でパンデミックが世界中を席巻したが、2021年の第2回サウジカップでは賞金額がさらに高額になった。
インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジでは、1レースあたり40万ドルが提供されるとともに、勝者は15ポイント、以降順番に5着までそれぞれ10、7、4、2ポイントを獲得した。
総合優勝者のシェーン・フォーリー騎手にとって忘れられない結果となった。2位にはサウジアラビアのアデル・アルフォライディ騎手、3位には米国のベテラン騎手マイク・スミスが入った。
「素晴らしいイベントで、賞金額も驚きです。賞金が40万ドルで、遠くまでやって来るだけの価値があります」とスミス騎手は話した。
一方、イベントの目玉であるサウジカップの栄光は、米国馬シャーラタンを破ったサウジ所有のミシュリフのもとに輝いた。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、馬主のアブドルラハマン・ビン・アブドゥラー・アル・ファイサル王子、騎手のデヴィッド・イーガン、調教師である父のジョン・ゴスデンの代わりを務めたタディ・ゴスデンそれぞれにトロフィーを授与した。
翌年、キング・アブドルアジーズ競馬場に観客が戻り、16か国から240頭の馬が、さらに高額になった3,510万ドルの総賞金を懸けて競い合った。メインレースでは人気薄のサウジ調教馬エンブレムロードが末脚で差し切り、大金星を挙げて最高賞金の1,000万ドルを獲得した。
パナマ人のウィグベルト・ラモス騎手が騎乗したこの人気薄の馬は、最後の直線で外から迫り、米国ボブ・バファート厩舎のカントリーグラマーを頭差でかわして5頭の叩き合いを制した。
パンサラッサは日本の吉田豊騎手を背に、この2,000万ドルのレースでランフランコ・デットーリ騎手とカントリーグラマーのコンビを破り、2023年のサウジカップの栄光を掴んだ。
バファート調教師とカントリーグラマーにとっては、2年連続で悲痛な結果となったが、いま現在もサウジカップの勝利を目指している。
パンサラッサはキング・アブドルアジーズ競馬場で驚異的なペースでレースを進め、後続の馬は捉えることができなかった。
最後の叩き合いでは、日本馬の1~4着独占かと思われる場面もあったが、デットーリ騎手はレース終盤にカントリーグラマーを押し上げた。しかし、ゴールはすぐそこにあり、僅差でまたしても勝利を逃した。