
ドーハ:アジアカップでの日本の早すぎる敗退と試合内容は、チームの現状に関する深い内省をもたらした。W杯アジア予選のため北朝鮮へと向かう、困難が予想される旅は数週間後に迫っている。
過去4度の優勝を誇り、大会前は優勝候補の最有力とされた日本は、3日の準々決勝で前半のリードを逆転され、イランに敗れた。
イランは終了間際のPKで勝利を手にしたが、実際のところ後半を通して一貫して優位に試合を進め、もっと早く試合をものにできたはずのビッグチャンスも複数あった。
日本の森保一監督が解任されることはないだろうが、帰国後は厳しい批判にさらされるだろう。カタールでの3勝2敗の内容はファンにとって納得のいくものではなかった。
チームはピッチの外でも問題を抱えている。ウイングの伊東純也は性加害の告発を受けてチームを離れ、数々のミスを犯したゴールキーパーの鈴木彩艶はオンラインで人種差別的中傷にさらされている。
昨年に大阪で起こったとされる疑惑について、伊東は告発の内容を強く否定している。
元日本代表のスター選手であり、2011年のアジアカップ優勝のメンバーでもある本田圭佑氏は、日本サッカーに「革新的な変化」が必要だと語る。
「これまでの成長は協会のおかげなのは間違いないけど、このままではあかん」と、本田氏はX(旧Twitter)に投稿した。
センターバックの板倉滉は、普段はチームでもっとも信頼できるプレーヤーのひとりだが、イラン戦では目も当てられないパフォーマンスで日本の足を引っ張った。
ボルシア・メンヒェングラートバッハのDFである板倉は、不用意なプレーを突かれてイランに1点目を許し、さらに酷いファウルで試合を決定づけるPKを与えた。
試合後の板倉はひどく意気消沈し、まっすぐに出口へと向かった。のちに彼は自身が敗因だと認めた。
「あんなパフォーマンスのあとでは、代表チームの一員としてピッチにいる資格がありませんでした」と、彼は語った。
板倉はハーフタイムの交代が確実に思われたが、森保監督は試合終了まで使い続けた。
監督はのちに交代の失敗を認め、後半に力強い攻撃を見せたイランに圧倒され、食い止める術がなかったと述べた。
「ほとんどの選手はヨーロッパでプレーしているので、この程度の強度には慣れているのですが、後半は完全に支配されてしまいました」と、FWの堂安律は語った。
日本代表はカタール到着時、公式戦9連勝、通算39得点だった
初戦はベトナムに4-2で勝利したものの、リードを奪われる時間もあり、また守備の不安定さが目についた。とりわけ経験不足の鈴木はミスで1点を献上した。
第2戦、日本はスコア通りの内容でイラクに2-1で敗れたが、最終戦でインドネシアを破って決勝トーナメントに進出した。
バーレーンを3-1で下したベスト16では実力を発揮したかに思えたが、ここでもクリーンシートとはいかず、イラン戦に向けた準備は伊東の問題により混乱に陥った。
日本サッカー協会の方針は二転三転し、伊東は結局チームを去った。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、チームを「雑音」から守るためだったと述べた。
田島会長はのちに、伊東の離脱とイラン戦の敗北は無関係だと主張した。
「選手はみなプロなので、何が起きても対処できるレベルにある」と、彼は述べた。
田島会長はまた、2018年から代表の指揮をとる森保監督の解任は「まったく考えていない」と語った。
森保監督は、2022年のW杯でドイツとスペインに勝利をあげ、日本をベスト16に導いたほか、2026年W杯予選でもこれまでの2試合でいずれも勝利をあげている。
日本代表は3月、W杯アジア2次予選に戻り、北朝鮮代表と最初はホームで、続いて平壌でのアウェイで対戦する。
コラムニストのセルジオ越後氏は、日刊スポーツの記事のなかで、アジアカップ敗退で日本は目を覚ますべきだと述べた。
「これまで10連勝とか、欧州強豪に勝ったとか、甘い夢を見てきたね」と、彼は綴った。
「目線だけ世界に向かっていた。もう夢から覚めたかな?」
AFP