
シリコンバレー:米半導体大手エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)は19日、米カリフォルニア州サンノゼで開催中の開発者会議「GTC」に合わせ記者会見した。日本の言語や文化の特殊性に言及。「自らAI(人工知能)を作るべきだ」と、開発の動きを支持した。その理由として「第三者にデータ収集を許し、AIを輸入する道理はない」と説明した。
同氏はまた、AI活用が「国家の生産性向上の最善策だ」とも強調した。日本では、東大発の「ELYZA(イライザ)」(東京)や米グーグル出身者らが設立した「サカナAI」(同)などが生成AIの基盤モデル開発を進めている。
エヌビディアについて、フアン氏は「技術、専門家、インフラもあるAI工場だ」と表現した。同社はGTCで、現行製品の最大30倍の性能を誇る先端半導体だけでなく、企業が短時間で自らのデータを取り込み、独自の生成AIを開発・改変できるツールも発表。顧客企業に対する開発支援を加速する構えだ。
一方、米政府が半導体の対中輸出規制を強めており、収益にも影響が出ている。フアン氏は規制に対応しつつ、「顧客のため、中国市場への最適化に最善を尽くしている」と説明した。
時事通信