Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

安保理、国連スーダン・ミッションの終了を決議

スーダン当局の要請を受け、国連安全保障理事会は1日、スーダンにおける国連政治ミッションを終了した。(ロイター/ファイルフォト)
スーダン当局の要請を受け、国連安全保障理事会は1日、スーダンにおける国連政治ミッションを終了した。(ロイター/ファイルフォト)
Short Url:
02 Dec 2023 05:12:43 GMT9
02 Dec 2023 05:12:43 GMT9
  • 米国の大使は、スーダンにおける国際的なプレゼンスが低下すれば、残虐行為の加害者を増長させることになるのを引き続き懸念していると述べた。
  • 国連の統合移行支援ミッションは終了するが、報道官は「誰の目にも明白なのは、国連がスーダンを去るわけではないということだ」と述べた。

エフレム・コサイファイ

ニューヨーク:1日、国連安全保障理事会は、スーダンにおける国連ミッションの任務終了を決議した。理事会15カ国のうち14カ国が決議案に賛成、ロシアは棄権した。

同決議案は、国連スーダン統合移行支援ミッションに対し、12月4日から活動の縮小を開始し、その任務を他の国連機関に移管するよう求めるものだ。可能であれば、2月までに移管を完了させることを目標としている。その後、3月1日にミッションの閉鎖を開始する。

安保理の決議は、スーダンにおける暴力行為の大幅な増加を背景に行われた。戦禍に見舞われたスーダンは、4月15日にハルツームとその周辺で始まった、暫定主権評議会の議長でもあるアブドゥルファターフ・アル・ブルハン将軍率いるスーダン政府軍と、ヘメディとして一般に知られているモハメド・ハムダン・ダガロ将軍率いる反政府的な準軍事組織である急速支援部隊との衝突による政治的、安全保障的、人道的な面での深刻な影響と闘っている。

紛争は瞬く間にハルツームからダルフール、白ナイル、ゲジラ、コルドファン州など他の地域に広がった。国連によると、紛争が始まって以来、スーダンでは1万人以上が命を落とし、2500万人が生き延びるために人道支援を必要としている。戦闘によって600万人以上が避難し、100万人以上が近隣諸国に逃れている。

国連スーダン派遣団とスーダン当局との関係は、紛争勃発以来、緊張状態にある。5月、アル・ブルハン氏はアントニオ・グテーレス国連事務総長に書簡を送り、当時グテーレスのスーダン担当特別代表だったフォルカー・ペルテス氏の交代を要求した。国連がペルテス氏を擁護すると、アル・ブルハン氏は彼を「ペルソナ・ノン・グラータ」に指定した。関係が悪化の一途をたどるなか、ペルテス特使は9月、スーダンの外から効果的に仕事を遂行することは不可能だとして辞任した。

それ以来、スーダンの国連ミッションは、ポートスーダンに駐在するクレメンタイン・ンクウェタ・サラミ副特別代表兼スーダン常駐・人道調整官の指導の下にある。

先月開かれた安全保障理事会で、スーダンのアルハリス・イドリス・モハメッド国連大使は、スーダンの国連ミッションの閉鎖を求める自国の決定を伝えた。スーダン外務省は、現在の状況を鑑みると、同ミッションはもはやスーダン国民と同国政府の望みに沿うものではない、と述べた。

米国のロバート・ウッド特別政治問題担当代表代理は、1日の安保理決議後、理事会に対し、同国は「ミッションの安全かつ秩序ある撤退」を可能にするため決議案に賛成票を投じたが、スーダンにおける国際的プレゼンスの低下は「残虐行為の加害者を増長させるだけであり、民間人に悲惨な結果をもたらす」と引き続き懸念していると述べた。

同氏は「UNITAMSの活動は、現在進行中の紛争、残虐行為、人権侵害や虐待、数千万人のスーダン人に対する悲惨な人道的状況、地域の安全と安定を脅かす波及リスクの増大を考慮すれば、全ての面で極めて重要である」と付け加えた。

11月30日、ステファン・デュジャリック国連報道官は次のように述べた。「国連がスーダンから撤退することはない。私たちは、戦争の終結、人道支援の促進、文民統治への移行の回復を目指し、全ての努力を継続する」

「政治ミッションがどうなっているかにかかわらず、スーダンには人道支援に携わる仲間が大勢残っており、人道支援を切実に必要としている人々を支援していることを忘れてはならない」。「そのため、国連がスーダンから撤退するというのは、事実誤認だ」

特に人気
オススメ

return to top