


ブリュッセル:佐々木靖氏が19歳で日本からベルギーに移り住んだとき、彼はフランス語を一言も話せず、自分の人生がどうなるのか見当もつかなかった。
先月、52歳になった彼は、権威あるフードガイド「ゴー&ミヨ」誌からブリュッセルの年間最優秀ショコラティエに選ばれた。
「日本に帰ってベルギーのことを話すと、みんな “ああ……チョコレート!”って言うんです」と佐々木氏はAFPに語った。
フードガイドに “フレーバーの魔術師 “と呼ばれる佐々木氏は、ブリュッセルのヴォルーエ・サン=ピエールにある彼の店の裏手にある小さな工房で制作を行っている。
「チョコレート。この仕事を選んだ瞬間から、私の人生の全てになりました。趣味であり、仕事であり、楽しみでもあります」
「何も知らず、ゼロからのスタートでした。でも、その選択は正しかったと思います」
大阪に近い奈良出身の佐々木氏は、故郷からインスピレーションを得ている。
ただすべての日本の味がチョコレート・ガナッシュやプラリネに合うわけではない。
「緑茶はとても強く、とてもよく合います。柑橘類の柚子もそうです」と、彼は若い日本人スタッフにアドバイスを与えながら説明した。
「でも柿とみかんはダメです」
佐々木氏は仕入れ先を慎重に選んでいる。例えば緑茶は京都産で、京都で働くいとこから直接仕入れている。
また、カカオの価格が高騰する中、彼はコスト管理にも気を配っている。
「私たちは職人ですが、ビジネスマンでもあります。職人として働き続けるためには、作ったものを売らなければなりませんから」
AFP