国際宇宙ステーション(ISS)に半年余り長期滞在後、地球に帰還し、リハビリを終え帰国した古川聡さん(60)が17日、東京都内で記者会見した。滞在中、日本人宇宙飛行士も参加する国際月探査計画に向けた技術実証なども行った古川さんは、「今回のミッションは、まさに近い将来の探査につながっていると強く感じた。引き続き実証を進めるべく、受け継いだバトンを次につなぎたい」と話した。
古川さんは昨年8月に米宇宙船クルードラゴンに搭乗し、ISSに到着。半年余りの滞在を終え、3月に帰還。米国でのリハビリを終え、今月初めに帰国した。ISS滞在中、月探査などで用いる水の再生利用装置や、飛行士の作業省力化につながるISS船内ドローンの実証など日本実験棟「きぼう」を中心に数々の実験を行った。
ISS滞在は12年ぶり。前回との違いを問われ「無重力だとシャワーを浴びられないが、身体や顔を拭いたりするタオルなどの衛生用品が快適だった」と生活面での変化を回答。「多くの方々が宇宙に行く時代には、快適さも重要な因子。今ある技術を生かし、さらにいいアイデアも出して、使ってほしい」と話した。
時事通信