• 集会参加者1人が死亡、他の観客2人が負傷したと当局が発表
• バイデン大統領が暴力非難の先頭に立ち、こう述べた： アメリカにこのような暴力の場はない。

ワシントン：ドナルド・トランプ氏は日曜日、すでに険悪になっている米国の政治的分裂をさらに激化させる暗殺未遂事件を乗り越え、共和党が正式に大統領候補に指名する共和党大会に邁進することを誓った。

土曜日に、AR-15スタイルのライフルを持った20歳の男が、どのようにして屋上からトランプ氏を狙えるほど接近できたのかは不明である。

78歳のトランプ氏は、11月5日の選挙で最も激しい戦いが予想される州のひとつ、ペンシルベニア州バトラーで土曜日に選挙集会を行っていた。彼の選挙キャンペーンによると、彼は元気で、右耳の上の傷以外に大きな怪我はなかったようだ。

FBIは、ペンシルベニア州ベテルパークのトーマス・マシュー・クルックス氏を暗殺未遂の容疑者として特定した。州の有権者記録によれば、彼は共和党員で、17歳の時に民主党の政治活動委員会に15ドルの寄付をしていた。

警察当局は記者団に対し、攻撃の動機はまだ特定できていないと述べた。共和党と民主党の両党は、クルックスの所属政党の証拠を探すと予想される。

ロイター／イプソスの世論調査を含むほとんどの世論調査によると、トランプ元大統領とジョー・バイデン民主党大統領は接戦を繰り広げている。

トランプ氏は、月曜日にウィスコンシン州ミルウォーキーで開幕する共和党全国大会で党の正式指名を受ける予定だ。RNCのマイケル・ホワットリー委員長は日曜日のフォックス・ニュースで、当局が数ヶ月かけて警備の準備を進めてきた会場を守るために協力していると語った。

「この瞬間、私たちが団結し、アメリカ人としての真の姿を示し、強く決意を固め、悪に勝つことを許さないことが、これまで以上に重要です」トランプ氏は日曜日に、自身のソーシャルメディア・サイト『Truth』にこう書き込んだ。

「私は本当にこの国を愛し、皆さんを愛している」

この銃乱射事件は、大統領選挙をめぐる議論に大きな波紋を投げかけた。

バイデン陣営は、選挙不正について虚偽の主張を続けるトランプ氏を民主主義に対する危険人物として描いてきたが、土曜日には、当面政治広告を中止すると発表した。

シークレットサービスの捜査官は、トランプ元大統領が演説していたステージから約150ヤード（140メートル）離れたビルの屋上から発砲した容疑者を射殺したと発表した。情報筋によれば、銃撃に使われたAR-15スタイルの半自動小銃が遺体の近くで回収された。

この銃は容疑者の父親が合法的に購入したものだとABCとウォール・ストリート・ジャーナルが情報筋の話を引用して報じた。容疑者の車からは爆弾製造の材料が発見された、とAP通信が情報筋の話を引用して報じた。

被害者は家族を庇っていた

当局は、死亡した集会参加者の身元を、ペンシルベニア州サーヴァー在住のコリー・コンペラトーレ氏（50歳）と特定した。

“コリーは前大統領の熱心な支持者であり、昨夜、地域社会で彼と一緒にそこにいることにとても興奮していた “とシャピロ知事は述べ、”政治的な意見の相違は決して、暴力によって対処されることはない “と付け加えた。

シークレットサービスによると、他の集会参加者2人が重傷を負ったという。

シークレットサービスは声明の中で、追加警備の要請を拒否したという一部のトランプ支持者の非難を否定した。

シークレットサービスのアンソニー・グリエルミ報道官は声明の中で、「前大統領の警備チームのメンバーが追加の警備リソースを要請し、米シークレットサービスや国土安全保障省がそれを拒否したという主張は全くの虚偽だ」と述べた。「実際、シークレットサービスは最近、前大統領の警護部隊に警護資源と能力を追加した」

唖然とする近隣住民

犯人とされる人物が住んでいたペンシルベニア州ベセルパークの住民は、日曜日にこのニュースにショックを表明した。

「暗殺未遂事件を起こした人物があんなに近くにいると思うと、ちょっとクレイジーだが、それぞれの立場のクレイジーさで、今の政治的ダイナミズムを表しているようなものだ」と、ウェス・モーガンさん（42）は語った。「ベセルパークはかなりブルーカラーな地域です。あんな近くに人がいたなんて、ちょっと正気の沙汰とは思えません」

学校、ナイトクラブ、その他の公共の場での銃乱射事件はアメリカ生活の常であるが、1981年の共和党大統領ロナルド・レーガンの暗殺未遂事件以来、アメリカ大統領や主要政党の大統領候補が銃撃されたのは初めてである。

2011年には、民主党のギャビー・ギフォーズ下院議員（当時）がアリゾナ州で有権者の集まりを襲撃され重傷を負った。共和党のスティーブ・スカライズ下院議員も2017年、チャリティー野球の練習をしていた共和党議員グループが政治的動機で襲撃され、重傷を負った。

ギフォーズ氏は後に銃規制を主導する団体を設立したが、スカライズ氏は銃の権利の断固とした擁護者であり続けている。

政治的暴力

ロイター／イプソスの最近の世論調査によると、アメリカ人は政治的暴力の高まりを恐れている。

トランプ支持者たちは2021年1月6日、選挙での敗北を覆そうと連邦議会議事堂を襲撃した。この暴動で約140人の警察官が負傷し、暴動参加者4人がその日のうちに死亡、駆けつけた警察官1人が翌日死亡、駆けつけた警官4人がその後自殺で死亡した。

銃声はシークレットサービスが警備していた区域の外から発せられたようだ、と同機関は述べた。

攻撃から数時間後、共和党が主導する米下院の監視委員会は、シークレットサービスのキンバリー・チートル長官を召喚し、7月22日に予定されている公聴会で証言させる。

共和党と民主党の指導者たちは、外国の指導者たちと同様に、この暴力をすぐに非難した。

「アメリカにこのような暴力の場はない」バイデンは声明の中で、「われわれはひとつの国家として団結し、これを非難しなければならない」と述べた。
トランプ元大統領の共和党支持者の中には、今回の政治的な動機によるテロだと考えている者もいる。

「ドナルド・トランプを個人的に悪者にするために、一方的に狙っている」と下院共和党第2党のスカライズ氏は語った。「左派はドナルド・トランプという人物を標的にしたようだ」

トランプ氏は今年、4件の刑事訴追を含む複数の法的問題に直面していた。

彼は5月下旬、ポルノ女優への口止め料支払いを隠蔽しようとした罪で有罪判決を受けた。しかし、敗訴を覆そうとした2件を含む、彼が直面している他の3件の起訴は、彼に起訴の一部免除を認めた今月の最高裁判決を含む、さまざまな要因によって頓挫している。

トランプ氏は、4件の訴追はすべて、バイデン氏が自身の政権復帰を阻止するために画策したものだと、証拠もなしに主張している。

ロイター