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イスラエルは「一線を超えた」レバノン暫定首相が警告

レバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相は4日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアロルド・ラザロ将軍との会談で、イスラエルは複数回にわたって同国の主権を侵害しているとして非難した。(NNA)
レバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相は4日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアロルド・ラザロ将軍との会談で、イスラエルは複数回にわたって同国の主権を侵害しているとして非難した。(NNA)
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05 Jan 2024 03:01:49 GMT9
05 Jan 2024 03:01:49 GMT9
  • ナジーブ・ミカティ氏が平和維持軍との会談で国連の対応を求める
  • ベイルートで開かれたハマスの副官サレハ・アル・アルーリ氏の葬儀で何百人もの人々が同氏を悼む

ナジャ・フーサリ

ベイルート: レバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相は4日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアロルド・ラザロ将軍との会談で、イスラエルは複数回にわたって同国の主権を侵害しているとして非難した。

ミカティ暫定首相はラザロ将軍に対し、イスラエルは何年にもわたって国連決議を無視していると述べ、国連内でレバノンを支持する「声を上げる」よう求めた。

ミカティ暫定首相の発言は、2日にベイルート南部でドローンによるとされる攻撃によって殺害されたハマスの副官サレハ・アルアルリ氏の葬儀と時期を同じくして行われた。

アルアルリ氏は、同じ攻撃で殺害されたハマス幹部アッザム・アル・アクラ氏およびモハメド・アル・レイズ氏らと共に、ベイルート・シャティラにあるパレスチナ人用のアル・シュハダ墓地に埋葬された。

葬儀では、空中へ弔銃が放たれ、弔問客らがパレスチナの旗やハマス、イスラム聖戦の旗などを掲げていた。

レバノンの保安機関がアルアルリ氏の殺害事件を捜査している一方、ヒズボラも同事件を独自に調査している。

ある治安筋の情報によると、捜査は「複雑」で、使われたドローンの種類、飛行経路、発射されたミサイルの性能に重点を置いているという。

 ジョージ・ネーダー退役准将はメディアを通じた声明で、「機密漏洩について言えば、外部でなく、意思決定機関の中に工作員」がいる可能性があると述べた。

ネーダー氏曰く、「イスラエルはドローンを7000メートル上空で誰にも音も姿も検知されずに飛ばす技術を持っている。戦闘機は15000メートル離れた位置から音も姿も検知されることなく99パーセントを超える精度でミサイルを発射できる」という。

また同氏は「アルアルリ氏が当時いた部屋は天井が二重にあったが、いずれも破壊され、同氏の上に崩落している。このことからは、イスラエルの持つ軍事能力がわかる」と述べた。

「厳密に言えば、今回の暗殺にはいくつかの可能性があり、調査結果を待たねばならない」

フアード・シニオラ元首相はアルアルリ氏の暗殺を非難する声明で、「パレスチナ人軍事組織やその他軍事組織がベイルート南部郊外を含むレバノン領土内の各所にこれほどの数存在する」理由について疑問を投げかけた。

同氏は「特に、レバノンは究極的には共和制国家であり、したがってその主権を維持し守らなければならず、自国の治安と安定が脅かされないよう優先して務めねばならない以上、この件に関しては原則レバノン当局の承認が必要である」と述べた。

シニオラ氏の発言は4日、国境付近、レバノン軍事拠点近くのマロン・アルラスを含む複数の町が、イスラエルの軍事作戦で戦闘機による空対地ミサイル攻撃を受ける中、行われた。

イスラエル軍はキアムにある旧イスラエル人拘置所を白リン弾で攻撃した他、ビント・ジベイル郊外、ヤルン郊外、アイタ・アルシャーブ郊外を砲撃した。 

ヒズボラは4日、「シュトゥラとアルジャルダー軍事拠点のイスラエル兵士ら、およびメトゥラとブラニット軍事基地の会合中の兵士らを標的とし、直撃弾を命中させた」と発表した。

イスラエルのメディアは、ヒズボラはメトゥラに向けて対戦車ミサイルを発射し、建物に命中した、と発表した。

イスラエル軍ドローンによる攻撃は、住宅を標的として3日の夜から4日にかけて続いた。

ヒズボラは、ナークラ地区のフセイン・ハディ・ヤズベク現場指揮官を含む9人の兵士を24時間以内に失い、大きな犠牲を払う形となった。

3日夜、イスラエル軍は攻撃を激化し、ナクーラの3階建てビルをドローン攻撃で破壊した。

殺害されたヒズボラのメンバーには、テファタ出身のハディ・アリ・リダ氏、ジブチット出身のイブラヒム・アフィフ・ファース氏、アドルン出身のフセイン・アリ・モハメド・ザガレ氏らの他、アッバス・ハッサン・ジャムル氏、ハッサン・ダキク氏およびモハメド・ハディ・オベイド氏らが含まれる。

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