Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 特集
  • パレスチナ五輪代表団、パリで歓声と贈り物に迎えられる

パレスチナ五輪代表団、パリで歓声と贈り物に迎えられる

2024年7月21日、ジャカルタの親パレスチナ派デモ隊が設置した、イスラエルチームの2024年パリ五輪出場禁止を求める横断幕の前を通過するサイクリストたち(AFP=時事通信)
2024年7月21日、ジャカルタの親パレスチナ派デモ隊が設置した、イスラエルチームの2024年パリ五輪出場禁止を求める横断幕の前を通過するサイクリストたち(AFP=時事通信)
Short Url:
26 Jul 2024 01:07:47 GMT9
26 Jul 2024 01:07:47 GMT9
  • ハラ・アブー駐仏パレスチナ大使は、フランスがパレスチナを国家として正式に承認し、イスラエルのオリンピック代表団をボイコットするよう呼びかけた。

パリ:パレスチナのオリンピック選手団は、木曜日にパリに到着し、群衆の歓声と食べ物やバラの贈り物で迎えられ、戦争で荒廃したガザとその他の領土を代表し、世界的な舞台で活躍する準備が整った。

パリの主要空港に掲げられたパレスチナの国旗の合間を歩きながら、晴れやかな表情を浮かべる選手たちは、イスラエルとハマスの戦争によって3万9000人以上のパレスチナ人の命が奪われた状況下で、自分たちの存在がひとつの象徴となることを望んでいると語った。

群衆の中のアスリート、フランス人ファン、政治家たちは、ヨーロッパ諸国にパレスチナを国家として承認するよう求めた、また、国連が支援する人権専門家がイスラエル当局には「戦争犯罪と人道に対する罪 」の責任があると指摘したことを受け、イスラエルがオリンピックに参加することへの憤りを表明する者もいた。

同報告書はさらに、ハマスが10月7日にイスラエルへの奇襲攻撃を開始した後に始まった、ガザ戦争の最初の数ヶ月間に、パレスチナ武装勢力が戦争犯罪を犯した、と述べている。イスラエルは独立専門家の申し立てを拒否している。

「フランスはパレスチナを国として認めていないので、私は国旗を掲げるため、ここに来たのです」と、サウジアラビア生まれの24歳のパレスチナ人スイマー、ヤザン・アル=バウワブさんは語り「私たちは人間として扱われていません。だから、スポーツをすることで、私たちが彼らと対等であることを理解してもらいたいのです。私たちは5000万人の国のない人間なのです」と続けた。

パレスチナ・チームの8人の選手の一人であるアル・バウワブさんは、ファンにサインをし、群衆の中にいた子供が差し出した皿からデーツをつまんだ。

パリのシャルル・ド・ゴール空港に響き渡る「パレスチナを解放せよ」の声は、紛争と政治的緊張がいかにオリンピックに波及しているかを物語っている。世界的な政治的激動、複数の戦争、歴史的な移民問題、気候危機の深刻化など、オリンピックで話題の最前線に躍り出た諸問題が山積する今、世界はパリに集結している。

5月、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、パレスチナ国家を公式に承認する用意はあるが、その一歩は感情が高ぶらない「有益な時期に」踏み出すべきだと述べた。34歳のパリ在住のイブラヒム・ベクロリさんのように、空港でパレスチナ選手団を出迎えるために待機していた数十人のサポーターの中には、これが怒りの火種になった者もいた。

「パレスチナの選手団が孤独ではないこと、支持されていることを示すためにここにいます」とベクロリさんは語った。さらに、選手団がパリにいることは「パレスチナの人々が存在し続けること、消滅しないことを示しています。それはまた、悲惨な状況にもかかわらず、たくましく生き続けていることを意味し、世界の一部であり、ここに留まり続けるということなのです」と続けた。

駐仏パレスチナ大使のハラ・アブー氏は、フランスがパレスチナを国家として正式に承認し、イスラエルのオリンピック代表団をボイコットするよう求めた。大使は以前、戦争で60人の親族を失ったと語っている。「正義を支持し、パレスチナの人々を支持し、彼らの自決への不可侵の権利を支持するフランス国民にとって、何ら驚くに値しないことです」と大使は述べた。

この承認要求は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がワシントンを訪問した際、議会で痛烈な演説を行い、抗議が殺到した翌日に行われた。ネタニヤフ首相は、ハマスに対して「完全勝利」を達成すると宣言し、大学のキャンパスや他の場所で戦争に抗議する人々をイランの「便利なバカ」と呼んだ。

パリのイスラエル大使館は、国際オリンピック委員会と呼応し「オリンピックから政治を切り離す決定 」を下した。「オリンピックと我々の素晴らしい代表団を歓迎します。また、すべての外国代表団の参加を歓迎します」と大使館はAP通信に声明を発表し「私たちの選手団は、誇りを持って国を代表するためにここにいます」と続けた。

AP通信はイスラエル選手団に何度も取材を試みたが、いずれも成功しなかった。

ガザ、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムでオリンピックのトレーニングプログラムを維持することは、たとえ戦争前の環境が整っている状況でも難しい。イスラエルとハマスの9カ月にわたる戦争で、ガザのスポーツ・インフラは壊滅的な打撃を受けており、それは不可能に近いものとなっている。

世界中に大勢いるパレスチナの離散民の中で、多くは他国で生まれたか、他国に住んでいるが、両親や祖父母の祖国の政治を深く気にかけている。その中には、パレスチナ系アメリカ人の水泳選手ヴァレリー・タラジも含まれており、木曜日には彼女を取り囲むファンたちに伝統的なケフィエを手渡した。

「プレッシャーに押しつぶされるか、それをエネルギーにするかのどちらかです。私はエネルギーとして使うことを選びました」とヴァレリーさんは語った。

AP

特に人気
オススメ

return to top

<