

オリンピックの準備が台無しとなった日本人フェンシング選手の三宅諒さんは、コロナウイルスによる強制的なロックダウンのなか、体力維持と少しばかりの余分な現金収入獲得の方法として、Uber Eatsでフードデリバリーを始めた。
3月、国際オリンピック委員会と日本政府は、コロナウイルスの大流行を受け、今年7月に始まる予定であったオリンピックを1年間延期するという前例のない決定を下した。
2012年ロンドン大会の男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した三宅さんは、自国開催の大会に向けて、多くのスポンサーに支えられていた。
しかし、当面の競技会が中止となり、オリンピックが1年延期となったため、三宅さんは道義的にスポンサー料を受け取ることができないと感じた。
「私がどのようにして、そしてどのような状況でオリンピアンになるかはまだ不明です」と三宅さんは火曜日にロイターに語った。
「このような状況でサポートを受けるのは少し厚かましいと思ったので、スポンサーには当面後援を停止していただくよう伝えました」と語った。
日本におけるコロナウイルス絡みのロックダウンの影響で、ジムを利用することができない三宅さんは、収入を得ると同時に体力を維持する方法を探していたと話した。
自転車に乗ってUber Eatsで商品を届けるのはこの目的にかなっており、アプリが提供する柔軟性と、仕事をしながら汗を流すことができることを楽しんでいると、三宅さんは語った。
Uber Eatsの仕事で得られる収入は、1日あたりわずか2,000円(18.60ドル)程度であるが、三宅さんはこの仕事が貯金の足しとなり、スポンサーなしでも十分やっていくことができるということだと話した。彼はまた、トレーニング体制を維持して収入を得ることができる他の方法も模索している。
「今は生活のために貯金を取り崩してる状況なので、自分でお金を稼ぐ必要があります」と、過去2週間配達を続けている三宅さんは語った。
「Uber Eatsのデリバリーを行うことで、体力の低下を防ぐことができるとも思いました。」
コロナウイルスのパンデミックにより、フードデリバリーの需要が高まっていることで、提供されるデリバリーの仕事が不足することはない。また、ドアの外に商品を置くというUber Eatsのポリシーのおかげで、他の人との接触も最小限に抑えられる。
「コロナウイルスに感染するリスクは低いです」と三宅さんはいう。
「商品を配達するので、人との接触が多いと思うかもしれませんが、アプリで推奨されている通り、玄関先に商品を置くのため、人との接触はありません。」
「私が人と接触するのは、レストランのスタッフから商品を受け取るときだけです。」
オリンピックの延期が決まった際に、オリンピック出場資格獲得の過程にあった三宅さんにとって、レイピアを手にしてスパーリングパートナーとトレーニングできるようになるのが、いつになるかは分からない。
「フェンシングは、人が集まらないと練習ができないので、現在の状況に合わないスポーツです」と彼は言った。
「そこは本当に残念です。」
ロイター