佐野（日本）： 1863年に日本で初めてクリケットの試合が行われた背景には、武士たちからの殺害予告があったという伝説がある。

しかし、森林に覆われた山間部の使われなくなった学校で運営されている日本のクリケット協会は、このスポーツは徐々に人気が出てきており、来年のアジア大会と2028年のロサンゼルス・オリンピックで新たなレベルに引き上げられることを期待していると言う。

日本クリケット協会のチーフ・オペレーション・オフィサーであるイギリス人のアラン・カー氏は、「私がここで過ごした11年間は、人々にプレーする機会を提供しようと努めてきました」

「このスポーツの存在を知ってもらえれば、それはとても簡単なことです。結局のところ、目に見えないものにはなれないのです」

カー氏によると、クリケットは日本で年々成長しており、5,000人以上の大人と子供が定期的にプレーし、その約3倍が何らかの形でクリケットを試したことがあるという。

数百万人がプレーし、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平のような世界的なスーパースターを輩出している日本の野球に比べれば、まだまだ大海の一滴だ。

この2つのスポーツが日本に上陸したのはほぼ同時期だが、クリケットの起源は少し縁起が悪い。

日本から出ることを拒む外国人を皆殺しにするという武士の脅しにより、ヨーロッパから来た住民たちが横浜のイギリス海軍に保護を求めた。

彼らは時間をつぶすためにクリケットをし、攻撃される可能性に備えて装填した銃をベルトに挟んで遊んだ。

その5年後、スコットランドの紅茶商人が日本初のクリケットクラブを設立したが、外国人サークルを超えて広まることはなかった。

世界的な統括団体であるICCによれば、「学生たちは何かユニークなことを求めていた」のだという。

このスポーツはニッチな存在であり続けているが、在日南アジア人の増加によって競技人口は増加している。

日本代表チームには、クリケットをプレーする国出身の親を持つ選手が何人もおり、このスポーツの英連邦でのルーツを反映している。

1984年に設立されたJCAは、クリケットの経験がない人々にクリケットを紹介するため、全国の特定の拠点に集中的に取り組んできた。

日本女子Twenty20のキャプテンである柳田麻衣さんは、東京の早稲田大学でクリケットを始めるまで、「名前は知っていたけれど、どんなスポーツなのかよく知らなかった」とAFPに語った。

「それまではソフトボールや野球をやっていましたが、クリケットでは360度ボールを打つことができます」と、今月開催された佐野市国際女子トロフィーで彼女は語った。

「チームとして一緒にプレーする必要があるスポーツだと思います」

佐野市の大会は、東京から約100キロ離れた日本のクリケット本部、10年以上前に廃校になった高校のグラウンドで行われた。

開幕戦に敗れた日本は、同じクリケット弱小国の中国、フィリピン、モンゴルが参加した大会の決勝で香港を下し、トロフィーを掲げた。

この優勝は、日本代表が来年ジンバブエとナミビアで開催されるU-19ワールドカップの出場権を獲得した数週間後のことだった。

クリケットは、1900年のロサンゼルス大会以来初めてオリンピック・プログラムに復帰する前に、日本で開催される来年のアジア大会でも取り上げられる予定だ。

日本の女子は2010年アジア大会で銅メダルを獲得し、男子は2023年大会でデビューし、1勝1敗で終えた。

男子チームには、元プロ野球選手の木村昇吾選手が参加した。木村は日本の強豪チームで14年のキャリアを積んだ後、2017年にクリケットを始めた。

柳田は、名古屋・愛知で開催されるアジア大会とオリンピックが、日本におけるクリケットの知名度に「本当に大きな影響を与える」と考えている。

「オリンピック競技としてニュースになるので、メディアはクリケットの名前をもっと広く知ってもらうことができます」と彼女は言う。

男子T20チームの世界ランキングは42位、女子は43位だ。

選手全員がアマチュアであり、アジア以外のチームとの試合を組むのは難しいとカー氏は言う。

彼は、日本でクリケットを純粋に普及させるための「特効薬はない」と認めているが、だからといって、このスポーツを愛する人たちが挑戦するのを止めることはないだろう。

「一夜にして成功することはなく、その背後には常に多くのことがあります」

「我々は、いつか人々に衝撃を与えられるようなプラットフォームを構築しているのです」

AFP