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FBI、内部攻撃の懸念が高まる中、ワシントンDC入りした州兵を入念に検査

2021年1月17日、ワシントンDC・ナショナルモールで見張りに立つバージニア州州兵。ジョー・バイデンの第46代米国大統領就任に向けて準備が進む中、25,000人もの州兵が市の警備に当たる。(サミュエル・コーラム、ゲッティ・イメージズ。AFP)
2021年1月17日、ワシントンDC・ナショナルモールで見張りに立つバージニア州州兵。ジョー・バイデンの第46代米国大統領就任に向けて準備が進む中、25,000人もの州兵が市の警備に当たる。(サミュエル・コーラム、ゲッティ・イメージズ。AFP)
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18 Jan 2021 08:01:50 GMT9
18 Jan 2021 08:01:50 GMT9
  • 全米から州兵約25,000人がワシントンDCに集結している
  • 2001年に起きた9・11攻撃以来、内部攻撃は常に法執行機関における優先課題となってきた

ワシントン:米国国防関係者らはジョー・バイデン次期大統領の就任に関連した内部攻撃や就任式の警備に関わる軍人による脅威に懸念を表明し、就任式のためにワシントン入りする州兵部隊の全25,000人に対してFBIが入念な検査を行う事態となっている。

この大規模な検査は死者を出した1月6日のトランプ支持者らによる米国議会議事堂襲撃によりワシントンで高まった安全対策への懸念により行われるもの。今後数日間の市の警備を任命された隊員の一部が次期大統領その他臨席する重要人物の安全にとって脅威となりうるという懸念が浮き彫りになった形だ。

米陸軍ライアン・マッカーシー長官は17日(日)、国防関係者らは潜在的脅威を意識しており、就任式が迫る中兵士の中で問題が見られないか注意するよう指示しているとAPに語った。しかし長官その他指導者らは現時点では脅威の兆候は検知していないとし、隊員らの検査からも問題は見られないという。

「継続的に検査プロセスを行っており、今回の警備に任命された者一人一人について2回、3回とチェックを行っている」と、水曜の就任式に向けて行われた3時間に及ぶ徹底的な保安訓練を行った後のインタビューでマッカーシーは語った。また、州兵らが潜在的な内部脅威の特定方法についても訓練を受けていると述べた。

約25,000人に及ぶ州兵が全米からワシントンに集結している。これは過去の就任式で配置された人数の2.5倍以上だ。また、軍は過激派とのつながりがないか軍人に定期的にチェックを行っているが、これに加えFBIによる調査も行われる。

当局関係者らによるとこのプロセスは1週間以上前に、最初の州兵の部隊がワシントンDCに配備され始めてから始まったもの。20日(水)には完了する予定だという。

「問題は、これで全員か?他にはいないか?ということだ」とマッカーシーは語る。「意識を高め、今回のようなオペレーションに参加する男女を徹底的に調べるためにあらゆる措置を講じなければならない」

今回のような状況では、FBIの調査とは隊員らの名前を同局のデータベースや要注意リストにかけ、危険な兆候がないか調べるというものになる。在シアトルの元FBI国家安全スーパーバイザー、デビッド・ゴメズによると、以前の捜査やテロ関連の懸念事項との関わりも対象となるという。

2001年の9・11攻撃以来、内部脅威は常に法執行における優先事項となってきた。しかしこれらの脅威はほとんどの場合、国内で生まれ育った者がアルカイーダやダーイシュ等のグループの影響を受けて過激化した、いわゆるホームグロウンの反乱者によるものだ。これとは対照的に、バイデンの就任に反対して攻撃を起こそうという動きはドナルド・トランプ大統領の支持者、極右武闘派、白人至上主義者、その他過激派に扇動されたものだ。

多くの者が、選挙結果が盗まれたというトランプの根拠なき訴えを信じている。この訴えは多くの裁判所、司法省、主要な接戦州の共和党議員に否定されている。

議会議事堂での暴動は、トランプが1月6日の集会で扇動的な発言をした後に始まった。マッカーシーによると集会には軍から広く参加者が見られたが、参加した人数や議事堂の襲撃に誰が参加したかは明らかになっていない。今のところ、5人の死亡者が出た議事堂襲撃に関連して逮捕された現役の軍人や州兵はわずか数名だ。死者の中には議事堂警察隊員や、下院本会議場近くの扉をよじ登り窓から侵入しようとした女性が含まれる。
ダニエルR.ホカンソン州兵総局長は、州兵部隊がワシントンに到着したり、ダウンタウンに集まるたびにミーティングを行っている。総局長は、潜在的脅威を検知するための措置は整っているという。
「兵隊や隊員が過激な思想を表明している兆候が見られる場合、直ちに法執行機関に委任するか、指示系統内で対応している」と総局長は語る。

しかし内部脅威は、何十人もの軍関係者、州兵、警察、ワシントンDC高官・指揮官らが参加する安全対策リハーサルがバージニア州北部で行われた中で表明された保安上懸念事項のわずかひとつにすぎない。床に映った巨大なワシントンDCの色分け地図を取り囲むテーブルに30人強の指揮官らが並んだ。その後ろでは、さらに何十人もの州兵将校とスタッフが壁に貼られた地図や図をにらんでいた。

イベントの安全保障はシークレットサービスが担っているが、州兵にFBI、ワシントンDC警察、議事堂警察からパークポリスに至るまで、あらゆる軍・警察関係者が関わっている。

指揮官らはワシントンDCの複雑な安全上閉鎖措置のあらゆる面を見直し、マッカーシーらはあらゆる状況で部隊がどう対応するか、市内に散らばった他の法執行機関とどのように連携が図れるかについて質問を浴びせた。

ホカンソンは、州兵の部隊は適切に装備され準備ができているとし、兵隊たちはどのような事態にも対応できるよう可能な限りのリハーサルを行っていると語った。

安全上の主な懸念は、武装した個人グループの攻撃や設置型の爆発物その他の武器だ。マッカーシーによると、諜報報告書では就任式の日に向けて、またそれ以降も、武装集会の予定が示唆されているという。

 

州兵の大多数が武器を持つことになる。マッカーシーは、部隊が武力行使する場合の判断とその方法について、そして法執行機関との速やかな連携について訓練を重ねていると語る。逮捕の際は、法執行機関が行う。

州兵部隊は「地図を見て上官とシナリオを語り合うプロセスを繰り返し行い、タスクと目的を理解し、ルートを知り、近隣の味方の部隊の場所を把握し、法執行機関パートナーと連絡を取り合うための周波数の確認に励んでいる」とマッカーシーは語る。

またマッカーシーは、主要目標はアメリカの権力移譲が無事に行われることであると述べた。「これは国家的優先課題である。機関として成功に導かなければならない。アメリカ、そして世界中のすべての人に向けて、安全に平和にこれを行えるというメッセージを発したい」
AP

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